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居心地の良さの設計

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楽しい家にするなら庇を出そう。(庇が家に与える影響)

 

庇を出した方が長持ちして・・・と書こうと思ったのですが、なんとなく「楽しい家をつくるのなら庇を出そう」という言葉が浮かんで、そうしました。

 

タマゴグミをはじめて20年。実は外壁のリフォーム依頼が一軒もありません。

他社でやっているわけではありません。毎年、お客様のところへあいさつ回りに伺っていますが、塗り直しをした物件は見たことがありません。

 

ちなみにタマゴグミ第一棟目は私の家で20年たちます。予算を落とすために普通のリシン吹付仕上げです。

今だ塗り直しをしていません。確かに西面は紫外線にやられて色は薄くなっています。

 

下の写真を見てもらうとわかるのですが、軒なしで作った実験棟もあります。ちゃっかり防水は15年でダメになり雨漏れ起こしました。

 

実験棟といっていますが、本当は私も軒なしのシンプルなデザインを取り入れたかったのです

ただ、将来壁体内で雨漏れを起こして腐るのが怖かったので、外部倉庫として柱や梁の躯体は見えるようにしておきました。

それでは私の家の今の様子を紹介します。

 

木造は軒をたくさん出し、単純な屋根が一択の理由

それは日本だからです。

アメリカ西海岸やパリなどのヨーロッパなら軒なしもありかなと思います。

その理由を明確に書きます。ややこしい数値を書きますが、最後に結論を言いますのでさらっと読んでください。

 

~ここからややこしい数値~

日本の降雨量は年間1600mm程度。そのうち6月から9月の4か月で800mm以上振ります。

その時日本の湿度は相対湿度80%程度絶対湿度は空気1㎥あたり20グラム程度

 

パリは年間の降水量は650mm程度。夏の湿度は相対湿度70%程度絶対湿度は空気1㎥あたり10グラム程度

 

ロサンジェルスは年間降水量300mm程度。夏の湿度は相対湿度50%程度。絶対湿度は空気1㎥あたり10g程度。

 

結論を言います。

 

パリやLAで壁内に雨漏れを起こしても、乾く可能性が高いが、日本で夏に雨漏れを起こしたらほぼ乾くことがない。だから、日本の家は雨漏れのリスクを極力減らすために単純な屋根と軒をきっちり出すことが必須!

 

 

昔の家は、雨が漏れても、気密性能もなく断熱性能も弱いので流れてしまったり、空気が通り乾いていました。リスクがあったのは、常に湿度が高いお風呂や水回りの部分のみです。

 

しかし今の家は、気密性能が上がり柱や梁に空気が回りません。また、ベーパーバリアというビニールを貼ることが多いので、雨漏れしているかもわかりません。

 

腐朽菌(家を腐らせる菌 私はシロアリより怖いと思っています)は、雨漏りを起こすと必ずと言っていいほど発生して、家を瞬間に腐らせていきます。

 

繰り返しますが、

軒をたくさん出すと、雨が壁を伝わりにくくなり、窓周りや配管周りから、もしくは壁のひび割れや隙間からの雨漏れのリスクが極端に減ります。

 

ということは、安心かつ余分なお金もかけずに住めるのです。

これって、楽しいですよね。←やっと題につながった。

 

 

軒を出す効果を図にしてみました、参考にどうぞ。

 

タマゴグミの軒の効果

私が定期点検やあいさつ回りの時に撮ってきた写真で説明します。

ちなみに、タマゴグミで雨漏れの報告があったのは今まで20年間で1棟のみです。

それは、私の設計ミスで張り出した梁のところで毛細管現象を起こしてしまった物件です。

水が入らないように補修をして、今は問題がありません。ですので、軒の効果は外壁の汚れについて

だけとなります。

 

1例目は17年前に建てさせて頂いたお宅です。白いソトン壁を使用しています。

2階は大丈夫ですが、1階のサッシの上あたりに埃がたまり黒くなってきています。

 

 

2例目は15年前に建てさせていただいたお宅です。この家も白のソトン壁を使用しました。いまだ目立った汚れもありません。

 

 

3例目は14年前に建てさせていただいたお宅です。この家はちょっと色のついたソトン壁を使用しました。気になる汚れはありません。ただ、少し色が抜けているような気がします。太陽の力は強いですね。

 

ここまではソトン壁の例が多かったのですが、次は違う例です。

 

4例目は18年前に建てさせていただいたお宅です。この家は私の家と同じでサイディングに吹き付け塗装です。軒がないバルコニー手摺に汚れが発生してます。

この程度なら、洗浄すれば落ちます。

 

 

海外の軒なし事情

海外には軒なしの家が結構あります。

例えばこのサイト イギリスの北の方の設計事務所さんです Dualchas.

私の知り合いでも何でもありません。たまたま見つけたサイトです。

 

この地域の家はほぼ軒なしです。

降雨量は日本よりも多く年間降雨量は2000mm

相対湿度は80%程度ですが、絶対湿度が空気1㎥あたり夏で9.5グラム 冬で4.5グラム。

また温度が低いため、腐朽菌の発生は心配ありません。

 

この地域の脅威は暴風なのです。

風がすごく強く、軒を長く出すと風で屋根が吹き飛ぶ恐れがあるのです。

 

日本の脅威は地震と湿度。これらから家をどう守るかが一番重要なのだと考えます。

 

けど、正直な気持ちを言いましょう。

 

私だって、軒なしをつくってみたい。けど木造ではタマゴグミとしては絶対つくりませんけど。

 

次回はもし私が軒なしの家をつくるのであれば、どんなサマリにするのか、どんな仕様にするのかをお話ししたいと思います。