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居心地の良さの設計

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第1種換気・第3種換気どっちがいいの?

高性能住宅は第一種換気の熱交換式がいい。そんな流れになってきています。それなのにタマゴグミは第三種換気をかたくなに使っています。それも高級なダクト方式の第三種換気。もうちょっと金額を足せば第一種換気は導入可能なのです。

なぜか説明します。これを読むと・・・「はあ?そんな理由?」と思うかもしれません。

 

=第一種換気=

部屋の空気を出すのも、外から空気を入れるのも機械で行う換気方法。その特徴を利用して、熱交換ができて、換気で熱が奪われることが少ないのが特徴です。

 

=第三種換気=

部屋の空気を出すのは機械で、外からの空気は自然に入ってくる換気方法。単純なシステムのため、メンテナンスが用意。しかし、換気で熱が奪われる。

 

 

先日、日本住環境の弊社担当が事務所にやってきました。

日本住環境という会社はもともと宇部気密という会社で家の気密と換気部材を専門として扱っている会社です。

 

今から15年前、タマゴグミの第一棟目、私の家をつくるときにいろいろ教えてもらいました。一級建築士を持っていた私ですが、気密断熱については知識不足だったのです。

気密の大切さ、断熱がなぜ効くのか、換気は何のためにあるのか。そんなことを一から教えてもらいました。

私の家は屋根の断熱が弱いのですが、それでもエアコンは1階に一台、2階に一台それで充分です。気密値が0.8だったのはいろいろ教えてもらったおかげでした。(2022年時点で気密値は0.5前後です)

タマゴグミが第三種換気しか使わない理由は

住宅の気密と換気システムしか扱っていない日本住環境が第一種換気を出していないからです。

 

彼らは換気のプロ中のプロです。第三種換気にしたら換気での熱損失が大きくなりQ値(熱損失係数)が悪くなることは誰よりも知っています。

 

私たち、高性能化を目指している建築屋が温熱計算で不利な思いをしていることも知っています。

下の図は、タマゴグミが建てたある物件(HEAT20 G2レベル)で第一種換気を使った場合と第三種換気を使った場合の熱損失の差のグラフです。約3倍ほど熱損失が大きいのです。

 

こんなグラフを見せられると「なんで一種を使ってくれんのか!」と言いたくなりますよね。

私もこれだけを見せられたらそう思いますよ。

 

それでは日本住環境の言い分を聞いてみましょう。

言い分1 換気システムは換気をするシステムだよ。

換気システムは 換気をするシステムだよ。温度を保つシステムじゃないよ

 

当たり前のことですね、けど彼らは「温熱に気をとられすぎてそれを忘れていないか」といつも言います。ダクト式の第一種換気はメンテナンスを怠ると全く換気装置としては機能を果たさなくなります。その点、日本住環境のルフロ(第三種換気)は3年くらいメンテナンスを怠っても機能はきちっと果たします。

 

 

換気の義務化は2003年7月から始まりました。シックハウスを防ぐためです。

建材や家具に含まれる有害なVOC(揮発性物質)をきちっと家の外に出しなさいというのが狙いです。

しかし換気の目的はそれ以外のことが大きいと知ったのです。

 

なぜ換気が必要になってきたのか、その理由は家の気密と断熱が高まってきて昔の家のように隙間風で家の空気が変わる家じゃなくなってきたからです。

 

昔なんか、家の中で薪をくべていましたよね。私が子供のころは、瞬間湯沸かし器というのが台所についていて、目の前でガスが燃えていました。

 

換気の目的

二酸化炭素を希釈する

人間の呼吸や、ガスなどの燃焼によって発生する二酸化炭素は毒性があります。

 

発生した水蒸気を排出する

人から出る水蒸気、家事で出る水蒸気結構な量になります。水蒸気を放置すると結露の原因となり家を傷めることになります。

 

匂いを取り除く

料理の匂いや、靴箱とか、ペットの匂いとか、おトイレとか、いろいろ匂いはありますよね。それらをきちっと取り除く役割があります。

 

VOC等有害物質を取り除く

建材や家具から発生する有害な揮発性の物質を取り除く。

 

これが、換気システムに課せられら役割です。

 

 

そのために必要なこと

換気の機械が、壊れず・効率よく・ずっと回り続けること。

そのためには単純な機械で、メンテナンスが楽で、外が強風な時も空気を押し出す力を持っていることですね。

 

計画通りの換気ができること

そのためには、気密の良い家をつくり空気を出すところと入れるところをきっちりと決めることですね。

言い分2 お客様にそんな無茶なことを要求するのか

あの機械のフィルターを毎月奥さんに掃除させるつもり?そんな無茶な。

 

彼らが一番言いたいのはここにあります。

メンテナンスです。

 

あの40㎝角程度の小さな機械に1日どれだけの空気が流れているかご存じですか?

何と3600㎥以上、なんせ家の空気が1日に12回変わっているのですから。

 

第一種換気は、熱交換をするために排出する空気と入ってくる空気をハニカム状(ハチの巣みたいなもの)のものにその大量の空気を通さなくてはいけません。

そのために、入ってっ来るほう出ていく方 両方にフィルターがついているのです。それを少なくとも1ケ月に1度掃除をしなくてはいけません。じゃないと効率が思いっきり落ちてしまい、換気の意味がなくなってしまいます。

 

点検口を開けて、機会のふたを開けて、フィルターをとって掃除して、ついでに各部屋の吸い込み口を掃除して・・・それを忘れずに月一回 絶対にやらなくちゃいけないのです。

それをお客様に強制できますか? ということです。

 

因みにタマゴグミが使っている第三種換気の掃除は年に1度ファンの掃除をするだけです。

大体、私が定期点検に伺ったときに掃除をしています。

 

第三種換気の場合、フィルターもなくファンにホコリがついている程度ですので多少汚れていても肝心な換気性能は全く劣っていません。

 

 

言い分3 エコじゃないって? 住環境のはエコだぜ

エコ・省エネって、温度を保つことだけじゃないでしょ。エネルギーを極力使わない、そしてお金を極力使わない。そうじゃない?

 

まずは、消費電力が違う ということです。

消費電力でいうと解りにくいのでお金換算でいうと

第一種換気は月々の電気代が1000円程度かかるけど、日本住環境のルフロは100円ちょっと。年間1万円以上の電気代の差になると言います。

40坪以上の家になると、代位種換気の場合2台つけなくちゃいけない場合が多いので、その場合は2万円以上違います。

 

性能の良い家をつくっているのなら、その浮いた分で冬のエアコン代が賄えるはずらしいです。

 

次に、消費部品の差がある ことです。

第一種換気の場合はフィルターを定期的に交換する必要があります。住環境のルフロの場合は、本体にはフィルターがついていません。吸気口にはありますが結構持ちます。

 

これは私からの追加ですが、機械はなかなか壊れません。ここ15年で100棟以上にルフロをつけていますが、壊れたのは2件だけ。モーターがダメになり私が交換しました。価格は2万円程度です。

 

初期費用がちがう ことです。

(といっても、日本住環境のルフロは結構高額なんですけどね)確かに、設置費用を入れると2桁万円違います。

 

 

 

なんか今回は宣伝を書いてしまいましたね。

 

というか、本当に悔しいのです。

高性能住宅の分野で第三種換気が邪道のような扱いを受けているのが。

 

確かに、各部屋に換気扇をつけて、さらにキッチンのレンジフードもあわせて24時間換気ですなんていい加減な第三種換気は問題外です。

ただ、日本住環境のように換気をくそまじめに考えて「第三種がベスト」と判断し ダクト式のルフロのみを扱っている会社もあるのです。

 

私は彼らを信じて今後も換気はこの方式を使っていこうと思っています。

 

しかし、日本住環境が第一種換気を出した場合は迷わず採用します。きっと上記の問題を全て解決したものを出してくると思われるからです。

 

 

 

 

この記事を書いたのは

株式会社タマゴグミ 一級建築士・宅建士 井手 徹です。

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