アトピー性皮膚炎と家について
2022年04月19日
アトピー性皮膚炎と家の関係について
久々にこんなことを書こうと思ったのは、あるお客様とお話をしたからです。
先日、これから家を建てるお客様が事務所に相談に来ました。
「今日はどんな相談ですか?」
「この間送ってもらったいえぐすりっていう本を読んで、ちょっと興味があって・・・」 なんか歯切れが悪いお答え、きっと何かあると思い、もう一度伺うと
「実は、解らなくなっちゃったんです。ある家づくりセミナーを受けたら、ビニルクロスはダメだ、IHコンロはダメだ、変な液体を混ぜなくちゃダメだ、断熱はこうでなくちゃダメだ じゃないとアトピーがひどくなっちゃうよ。 なんて言うんです。うちの子アトピーがひどくて・・・本当なんですか?」
でた〜〜態のいい恐喝・・・(詐欺とは言いませんよ。本当に効果があるかもしれませんから。けど脅しですよね)
じゃあ、アトピー性皮膚炎だけについてお話を伺います。どんなことをその方は言ってらっしゃいましたか?と私が聞くと
次から次へと、こちらが感心するほど色々いっぱい聞かせていただきました。その中で私が注目したのは、「建材はフォースターという低ホルムアルデヒドの建材を使っている工務店がたくさんあるのですけど、それでもダメだ。」と仰ったということです。
やっぱりそう言ったか〜 アトピー性皮膚炎とあまり関係ないのに・・・(ホルムアルデヒドがアトピー性皮膚炎と全く関係ないわけではありません、あまり関係ないのです)
こんなこと言っている私も実はアトピー性皮膚炎についてはあまり知りませんでした。シックハウスとごちゃ混ぜで考えていた時期もありました。
私がアレルギー性皮膚炎について真剣に考え出したきっかけある日、私がお付き合いしているアレルギー専門の小児科の先生に
「家に特殊なことを(変な液体をふりかけたり、何かを混ぜたり)するとアトピーって凄く改善されるようですよ。」
と言った事があります。
それに対し先生は、
「あなた達は、臨床結果を元に話をしているのか? ちょっとした出来事を取り上げ、きちっとした証拠も無いのにそんなことを言ってはいけないよ。アトピーで苦しんでいる患者さんそして親さんは、藁にもすがる思いで必死に戦っているんだ。」
私は、ハッとしました。それ以降、家でアトピー性皮膚炎が治るとは一切言っていません。(というか言えません)
アトピー性皮膚炎の原因
ここで、アトピー性皮膚炎がなぜ起こるかを簡単に説明します。ただ、私は医療関係者ではないので、不確かなこともありますので鵜呑みにはしないで下さい。
原因として、遺伝でくるものと環境から来るものがあります。遺伝はご理解いただけると思いますので、環境要因についてもう少し書きます。
環境要因として、先ず食べ物があります。タマゴ(うちじゃないよ) とか大豆とかが原因になることですね。これは幼いときに多い原因です。
次にハウスダスト。ホコリ、ダニの死骸や糞、ネコや犬の毛、カビ、花粉など
化学物質 ホルムアルデヒドが有名ですね。
そしてストレス。
これらを「アレルゲン」というのですが、アトピー性皮膚炎を改善させるには、アレルゲンを出来る限り減らすことが重要といわれています。
しかし、その前に、正しい診察と正しい治療があることを忘れないで下さい。
住宅屋としてアトピー性皮膚炎の対策
結露を起さない住宅を造る。
どんな断熱材を使ってもいいのですが、気密断熱について正しい知識を有し、断熱欠損や湿気の入り口を作らず正しい施工をすること。
風通しの良い住宅を造る。
風は大きな窓があれば通るわけではありません。入り口と出口をきちっと作り、出来る限り隅々まで風が通るようにします。
それと忘れていけないのが、正しい換気設備を儲けること。
最近はお昼間留守にする家庭が多いです。また、夜は窓を閉めっぱなしにすることが普通です。そんな場合でも、建物全体の空気がきちっと入れ替わるように換気計画を行う必要があります。
掃除しやすい住宅を造る。
毎日掃除機をかけるのが億劫にならないように、ドアは引き戸を多用したり、コンセントをしかるべきところにつけたり、プランニングを考えることですね。
アレルギーをお持ちの家庭がペットを飼う場合は、人とペットの動線を考える。
ストレスを和らげる環境作り。これは間取りを一生懸命考えることですね。
私たち住宅屋に出来ることは、これ位じゃないでしょうか? この程度しか出来ないはずの住宅屋が「家でアトピーを治してやろう。」発言なんて出来ないと思うのですが、あなたはどう思いますか?
参考までにタマゴグミの事例
タマゴグミで建てていただいたお客様から「子供のアトピーが改善されました!」と嬉しいお言葉も頂いています。
けど、これはタマゴグミの家だけにおこる現象ではないと思います。」
理由は、
新築時はアレルゲンになるものが非常に少なくなります。
ということは、 ビニルクロスで仕上げている家でも新築時はアトピーが改善されると私は予想しています。
このときに「そりゃね〜 タマゴの家はアトピー性皮膚炎に効くからね〜ハッハッハ==」なんて言ったとしたらどうなるでしょうか?
お客様は安心して「家がいいんだから安心」となり、アレルゲンを減らす努力を怠るかもしれません。
私はアトピーが改善されたという感想を頂いたときは
「よかったですね。けど、新築時はアレルゲンが極端に少なくなっています。また、私としてアレルゲンが増えないような家づくりもしたつもりです。ただ、家の特殊な能力がアトピーを改善させたわけではありません。お掃除と風通しを行ってもらい、アレルゲンを増やさない努力をしてくださいね。」
と答えるようにしています。
追加説明
このように書くと、不思議な力というのは全く無いと否定しているようですので、補足しておきます。
私の師匠で、真剣に炭素に取り組んでいらっしゃる方がいます。その方は、昔の文献などを引っ張り出して、一つ一つ手作りで装置を作りながら体感をして発表しています。
私はその方を尊敬していますし、本物だと思っています。
だから、いまだ解明されていない不思議な力というのは存在していると私はひそかに信じています。
私の尊敬する方は、押し売りは一切しません。それに「こうでないとダメだ!」なんて一言も言いません。それは、ご自分の技術に自信があり根拠を持っているからだと思います。
だから、他社や他の工法を攻撃するという愚かな行為はしていないのでしょう。
ご自分が信じていることを貫いている、迷いが無いから、他を蹴落とす必要が無いのです。
私の勝手な推測ですが、他を蹴落とすということは、どこか自分のやっていることに自分自身が信じられないときじゃないかなと思います。幼い子供が、砂場で他の子供の作る山を見て、わ〜わ〜騒ぎながら壊してしまうような。
お客様に夢を与える住宅屋が、その大切なお客様を自分たちの都合だけで惑わせちゃ遺憾でしょ。と思います。人は人、自分は自分。自分の信じた家づくりをお客様に伝えるだけでいいんじゃないかなと思います。
IHクッキングヒーターについては、確かに電磁波が強く出ています。これは、問題にはなっています。当社でIHを選ばれる方にはその点を説明してから選択してもらっています。
ただ、電磁波はあらゆるものから出ています。電気の線からも、パソコンからも、携帯電話からも、高圧電線からも・・・ 人は電磁波からもう逃れることは出来ないのではないでしょうか?
IHクッキングヒーターを選ぶ方は、電磁波をどこまで許容するのかを考えてから選択してください。
昔、魔法の建材アスベストが急に悪の建材になったように、IHが悪の商品になる可能性は有るかもしれません。
タマゴグミとしての結論
家は薬じゃない!! (けど、「いえぐすり」はいい本だと自画自賛)
「いえぐすり」 まだ読んでいない方はこちらから申し込めます。 請求はこちらから クリック
資料請求していただける方が増えますように・・・・・・