「位置指定道路」って誰の道路?
2023年10月03日
最近土地探しのお手伝いとか、土地の調査によく出かけるようになりました。
今日は位置指定道路についてです。
案外多い「位置指定道路」
上の写真は、私の家の15年以上前の写真です。
左の道は、公道(国や県・市町村所有の道路) そして右側、家の前の道路は私道で位置指定道路です。
家を建てる法律で、「家の敷地は4m以上の道路に2m以上くっついていないとダメ」(建築基準法第42条)という法律があります。
位置指定道路ができる理由
下の図は、私が住んでいる分譲地を書いたものです。いつものごとく汚い図ですみません。
最初はこんな感じで、一つの土地(田んぼ)でした。
この状態では1棟しか建てられません。
ちなみに、一つの土地には一つの家しか建てられないのがルールです。たまに大きな土地で家が2つ3つ建っているケースがありますが、あれは
1.土地を分割している。もしくは2.片一方の家には キッチンもしくはお風呂がない(どちらかを抜くと分家となり、建築可能となります)のどちらかのケースです。
話を戻して続きです。
そこで、分譲業者が「じゃあ分割してこの土地を売ろう。そうしたら儲かるぞ。」ということで分割します。 それが下の図です。
チョット余談
土地を分割して売る行為は不動産の免許を持っていないとできません。ですので新しい分譲地はほとんど不動産屋さんが直接売っています。
直接売っているということは、仲介料がかからない場合が多いのです。ただし、不動産屋さんが他の不動産屋さんに依頼して売る場合もあります。その場合は仲介料が発生します。
新しい分譲地はどの不動産屋さんから買うかで値段が違うということです。
買い方のポイントは、元の不動産屋さんを探して直接連絡することです。
このように、大きな土地を4分割して造成工事をします。
道路をつけなくては、車も人も入れないので道路をつけます。
そして
上水や下水を引き込みます。
そして、造った道路を役所に申請して「位置指定道路」と認めてもらいます。
そうすることによって、上の4つの土地は道路に接している土地となり、一軒ずつ家が建てられるようになるのです。
位置指定道路は誰のもの?
あくまでも「私道」となりますので個人のものです。
そのパターンとして多いのが、上記の場合だと4軒がそれぞれ4分の1づつ権利を持ちます。
他の例として、分譲強者が権利を持ち続ける場合もあります。
多分、ここまではあなたも何となく理解できるはずです。それじゃあ・・・
道路が陥没した・水道管が破裂した どうすりゃいいの?
道路の水道菅が破裂したじゃん。道路がへっ込んだじゃん。側溝がくずれて大変。
さあ、役所に電話しよう。
残念ながら、直してくれません。
それは、あなたたちのものだからです。※例外もあります。それはあとから
これ案外問題になるのです。
道路陥没なら、ホームセンターでアスファルトを買ってきて直せば数万円もかからないでしょうが、水道管となると数十万円は当たり前にかかります。
それを平等に負担しなくてはいけません。
じゃあ、誰が業者に依頼して誰がみんなのお金を徴収するの? 一軒でも嫌だと言ったらどうするの?空き家になっていたら?
分譲地でマンションの様に組合を造っているとろは皆無でしょう。
買ってすぐは問題無いとは思いますが、住宅ローンが終わるころ、上記のような問題が出てくる可能性があります。
ついでですが、私道部分に固定資産税もかかります。ムチャクチャ安いですが。
分譲地に住む心得
皆さんと仲良くしましょう。コミュニケーションを積極的にとりましょう。
もともと一つの土地だったところに、何らかの縁で一緒にに住むのです。
それと、分譲地を購入するときは自分たちと同じ年代、同じような人が集まるところにしましょう。
そんな購入方法があるのかというと・・・・ここでは書けません。書くと絶対非難されるので。
このコツは、知りたい方にはお教えします。ite@tamagogumi.comまでダイレクトメールをください。
例外もあります
私道の位置指定道路なのに役所が面倒見てくれたり、役所が道そのものを引き取ってくれたりするケースもあります。これは大変ラッキーなことです。
ポイントは「公共性」です。
上記の図のように、数軒でそれも行き止まりになっているところは極めて難しですが、数十件の団地だったり、公道から公道までつながっていて一般の人も通り抜けに使う道路だと公共性が高いとされて、役所が面倒を見てくれます。
ただ、稀ですのであまり期待しないでください。
また、怖い例もあります。
位置指定道路の持ち主が全くの赤の他人だったという例です。道路自体は簡単に廃止することができないので安心ですが、直したら当然請求はきますし使用料を取られてもおかしくありません。
道路だと思っていたのに単なる私道で位置指定道路になっていなかった例もあります。
その場合、家は建ちません。
上記については、不動産屋さんが買うときに説明をするはずですのでよっぽどのことがない限り大丈夫だとは思いますが、タマゴグミでも過去の例で道路ができるという条件で土地を買ったけど、結局道路ができなかったという例もあります。(手付金を返金してもらいましたが、本当は手付金の倍返しでもおかしくないケースです)
今回のポイント
土地を買ったら、土地だけじゃなくて道路まで面倒をみなくちゃいけないケースがあり、それは多いということです。