土地の日あたりはどうやって見るの
2022年09月30日
冬の日あたりはどうやって確認するの?
冬でもサンサンと日が差す居間。そんな家が憧れですね。
土地探しを始めた方によく聞かれる質問です。ですので今回は隣地に建物が建っている場合、もしくは建つであろう場合、冬にどこまで日影になるのか見分け方を覚えていただきます。
実は、日影の長さは計算で求められるのです。まずはその理屈から見て頂きます。
地球と太陽の関係は
地球は一日に1回転しています。(自転)地球は太陽の周りを1年1階ぐるっと回っています。(公転)
そして、地球の軸は垂直でなくて23.4°傾いています。そして、日本は赤道をゼロとしたら35°ほど傾いています(緯度35°)。この2つの傾きが四季を造っているのです。
上図は冬至と夏至の太陽の角度を図で表したものです。
冬至の角度の計算式は 90°ー23.4°ー35°=31.6°
夏至の角度の計算式は 90°+23.4°ー35°=78.4°となります。
冬至のお昼の影の長さを求めてみましょう
この角度で気になるのは冬ですね。
冬至の正午の日影はどんなふうに落ちるのでしょうか?計算してみましょう。
おっと、図を用意するのを忘れた、チョット手書きで計算式を書きます。
1/tan31.6°=1.625476・・
となります。
結論です。
真南に建物があったら、その建物の高さの1.6倍チョットの長さまで影が来る。
とはいっても、もっと具体的にしないと解りにくいですよね。ぞれでは架空の建物で解説しましょう。
具体的な影の長さは
こんな建物を想定してみました。
軒下6.3m程度、屋根の上までは7.4m程度の建物です。メーカーさんの家は
大体この程度の高さです。
この家が真南に建っていたら、冬至に下記のような影を落とします。
朝8時から夕方4時まで 1時間ごとの日影です。
上記のような図を日影図(そのまんまじゃん)と言います。
この図をもうちょっと変えて書きます。
これは、1日の間に何時間影になる部分はどの範囲かを表したものです。これを等時間日影図と言います。
例えば、5.00と書いた線の内側は、朝8時から夕方4時の8時間の間で5時間以上日影になる範囲です。
この図を見てみると、約9.8m建物から離れれば、ほぼ日陰にならないということが解ります。
大体軒高の1.6倍弱です。
なるほど、しかし真南の土地ばかりじゃない、真南じゃない土地は?
図は、南から45°振った土地の場合です。
午前8時から午後4時までの日影図はこんな感じです。
そしてこの土地の等時間日影図は
真南は同じ長さの日影が出ていますね。
ここら解るのが、この建物の上の土地の場合は、午前中に日影になることが解ります。
日影から完全に逃げることは難しいので、大体建物から8メートル程度離れれば午前11時以降は日あたりが取れることが解ります。
もう一つついでに そろそろ日あたりが欲しいかなと思う秋分の日影を見てみましょう。
こんな感じです。
建物から約4.7m離れたところ 大体建物の高さの8割弱の長さで日影が出ています。
まとめです。
高さの1.6倍のところまで日影は来ます。
通常の2階建て建物であれば真南の場合は建物から10m程度のところまで日影になります。
これで日当たりのいい土地探しもばっちりですね。
しかし、
実際にお隣の土地から10メートル離すとか理想をすべ突っ込んで土地探しをするとすごっく大きな土地が要ります。
北向き道路で、南に建物が建つという条件で土地の大きさを出してみるとやく80坪の土地は必要となります。
実際はどんなふうに土地の日あたりを調べているのでしょう
この図は、お客様が土地購入を検討されたときにタマゴグミから提出した実際の図面です。
ちなみにタマゴグミが土地調査を依頼されたとき、この程度まではいつも調査しています。
というか、パッシブデザインをしようとしたら土地購入前に最低限この程度の調査は必要です。
宣伝です。タマゴグミでは土地探しのお手伝いをしています。上記のような日あたりの報告書や近隣が将来どんな感じになるかの予想を加味した土地の活用方法などを報告しています。2~3か所までは無料で行っていますので、土地探しをしていらっしゃる方は 遠慮なくご相談ください。
簡単に高さの1.6倍の長さで日影になりますとか書きましたが、実際はこのように建物が入り組んでいたり、土地の奥行が無かったりします。
やっぱり土地の日あたり調査は、一か所一か所手稲ににやるのが一番かと思います。
ただ、1.6倍は目安になりますので、今後ご活用ください。
この記事を書いたのは
株式会社タマゴグミ 一級建築士・宅建士 井手 徹です。