鉄筋のかぶりは何のため?
2020年06月17日
美濃の家の基礎コンクリート打ちが完了しました。
そしてコンクリート打ち次の日は恒例の水撒き
以前、水撒きをした夕方お客様から「なんかコンクリートから水が湧いてきたんだけど。」とご心配の連絡を受けたことがあります。
そりゃそうですね、天気がいいのに水がドバーッと基礎にたまっているのですから。
多分、このブログを昔から読んでいらっしゃる方はご存知でしょうが、コンクリートは水和反応という水との化学変化で固まります。
セメントと骨材(砂や石)を混ぜるときは水が極力少ないほうがいいのに、打ってチョット固まりだしたら水分を急激に抜けさせてはダメというヤヤコシイ性格の持ち主です。
その方法は大きく2つで、コンクリートを打ったらガバッとしーとをかけて急激な乾燥を防ぐ方法とこのように水で蓋をしてしまう方法とあります。
タマゴグミは下の方法を採用しています。一度シートでやろうとしたのですが、風の力で飛ばしてしまいそれ以降やっていません。
鉄筋のかぶり厚はなんで必要?
さて今日の本題です。
鉄筋にはかぶり厚さというのが決められています。写真部分は基礎ですので、最小かぶり厚さは60ミリ 設計かぶり厚さは70ミリと決められています。
それを確保するために、この写真の奥に見えるサイコロという部材を使って隙間を保っています。
なぜ、かぶり厚さが重要かというと2つあります。
1つは、構造のためです。
コンクリートは圧縮(縮む方向)にはめっぽう強いのですが、引っ張る方向には弱いのです。それを補うために引張りに強い鉄筋が入っているのです。
けど、入る位置が規定どおりでないと計算上の効果が出ません。
よって、位置を確保するためにかぶりをとります。
もうひとつは、鉄筋が早くさびるのを防ぐためです。
錆びる=酸化です。酸素や水に触れることで錆びます。それを防いでいるのがコンクリートです。コンクリートはアルカリ性で鉄筋を保護しているのです。
しかし、空気の炭酸ガスととかで中性化していきます。そのスピードは2年に1ミリと言われています。
中性化すると、コンクリートが弱くなるわけでなく、鉄筋を錆びさせる空気や水に触れやすくなり鉄筋が錆びて膨張、コンクリートを破壊してしまいます。
コンクリート立ち上がり部分の規定で4センチ以上のかぶり厚さ、と言うことは80年で中性化します。これが1センチ少なかったらなんと20年寿命が縮むということです。
だから、丈夫で長持ちな家には鉄筋のかぶり厚さは重要なのです。
なんか、難しい話でしたね。
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