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居心地の良さの設計

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玄関アプローチの設計 実例込み

今回は設計手法の一部で、玄関までのアプローチの設計について書きます。なお、この考え方は、タマゴグミが使っている手法であり一つの方法としてとらえてください。

玄関のいみ

きっと明日会社や学校で知ったかぶりできる内容ですよ。

玄関とは 玄妙な道に進み入る関門。奥深い禅門への入門や、端緒

 

玄妙(ゲンミョウ)とは幽玄で微妙なこと。おもむきが深くすぐれていること。また、そのさま。

端緒(タンショ)とは物事の手がかり。いとぐち。

コトバンク

 

井手の解釈

違う世界に入っていく入口、それも神聖な場所に踏み入る印のようなもの。

ということは玄関とは結界?

結界(ケッカイ)とは仏教用語の一つで、場所と場所を区切るサイン。

タマゴグミ的玄関の解釈

家に帰る時に気持ちの切り替えになる場所。訪問される方が期待を高めたり心の準備をするところと考えています。

チョット大袈裟ですか?

 

下の写真は、最近訪問した関東の料理屋さんの玄関です。もともと酒蔵だった建物を改装して作ったようです。

関東のレストランアプローチ

MOKICHI TRATTORIA神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
IPAビールがおいしいお店です。

 

この玄関にたどり着くまで50メートルほど木々の間の小道を歩いてきました。

私が考える理想的な玄関までのアプローチです。

 

今日はどんな雰囲気の場所でどんな料理を味わえるのだろうと思いながら、見えな入り口に向かって木々の間を歩いてくる特別な時間を提供してくれます。

 

けど、こんなことやろうと思ったら敷地が1000坪くらい必要なわけです。いくら田舎で土地が安い岐阜だとしても、土地だけで1億~2億かかるので現実的ではないのです。

実例1 路地型アプローチ

縦長の土地の場合によく使う手法です。

路地のような玄関

路地の様に奥まで誘導して玄関をつくっています

玄関をあえて奥(この場合は北側)にもっていき、玄関までの通路を長くしています。

路地型玄関

入口は、矢印のところです。

何となく、ここが入り口かなというサインだけで、玄関は見えません。

 

次は路地型の変形で、あえて玄関の前に壁を建てて玄関までの距離を長くしたタイプのアプローチの例です。

玄関が見えない家

玄関までは矢印のようなアプローチです

 

ストレートに上がり込めばすぐなのに、格子の壁と木の板の壁をつくりぐるっと回り込んでいます。この回り込む数秒の時間が結構大切かなと私は思っています。

 

玄関は木の板の壁の裏にあります。

なお、車庫から家へのアプローチは別ルートをつくり、雨にぬれずに家に入れるようにしています。

このお宅の玄関を開けると、中庭が見えるというサービス付きです。

玄関を入ったら「ハッ」と思ってもらいたいのと、外は外でも先ほど歩いてきた外と質の違う外を体験してもらえたらと考えてこのような設計にしました。

目かくし壁タイプ

 

 

玄関のまえに壁を建てて、玄関へのアプローチを両サイドからにしています。

狙いとして、玄関を見つけたとき雰囲気をガラッと変えて「ああ、帰ってきたんだな」とか「お邪魔するんだ」という気分にしたいというものです。

 

右からアプローチするとこんな感じです。

 

植栽と屋久島杉の壁がアイストップになって、まずそちらに視線が行きます。そして左側の玄関に視線が行くという仕掛けです。

 

このタイプもそうです。

 

 

道路沿いに壁を建てて、その間から玄関へアプローチします。

 

こんな感じです。

チョット写真に写っていませんが、絞られた壁の隙間から植栽が見えているのです。

この玄関の中からの風景は

 

こんな感じで、外の道路は少ししか見えません。

 

上の写真は壁タイプの簡易版です。

玄関の前に一枚壁を建てることで、結界をつくり家と外部空間と切り分けています。

 

サイド玄関タイプ

勝手に命名した名前です。名前は気にしないでください。

家に穴をくりぬいたような場所をつくって、正面でなくて横面に玄関扉を持ってきています。

そして玄関の中は

一度中庭の景色に視線が行くように窓を開けています。

理由は、入る前の外と違う質の外を見てもらい、違う場所に入ってきたんだという意識を持ってもらうためです。(私の理想論かもしれませんが)

 

もう一例

これは、コンパクトの家が多いタマゴグミの家でも結構小さな16坪の家の玄関アプローチです。

まずは視線を植栽に持って言って、そのあとに玄関に向くようにしています。

あとは、こんなふうに自転車や物が置けるようにとも思い、ちょっと広めに作りました。

 

下の写真はサイド玄関型アプローチですがちょっと違う意味を持たせています。

 

まずは数段の階段を上ってこの軒下に入ることで、外の世界と中を切り替えています。

そして、ここではまっすぐ中庭に進むルート(知り合い・家の人・犬さん)と左の玄関へ行くルート(お客さん・帰ってきた家の人)を分けています。

格子建具型アプローチ

玄関の前にポーチをつけた場合、もうちょっと外と中をくっきりと分けたい場合に使っています。

この例は、路地型を出来る寸法がなくてさらには1階にちょっと広めのポーチをつくらなっくてはいけなかったお宅です。

 

ポーチに木の格子戸をつくり、その奥に玄関をつくっています。

これにより、格子戸をあけた瞬間に景色が変わり、外と内の切り替えができないかと設計しました。

内部はこんな感じです。

 

余談ですが、この玄関扉は本当は見せびらかしたい扉です。木製の引き戸で断熱気密性能がよくそして価格がびっくりするほど高い。

 

格子型のもう一つの例は

このお宅もコンパクトな家です。

この格子戸をあけると

小さなな中庭につながっています。

 

 

今回は玄関アプローチの設計について書いてみました。

 

まとめ

玄関は、あなたの家族だけの神聖な場所。そこに入るまで気持ちの切り替えをするところがアプローチだと思います。

例え土地が小さくても、そんな場所をつくることで豊かな家になると思います。

50メートルの樹木の小道には負けるかもしれませんが、その小道と同じような気分にさせる3mの通路や空間を今後も造り続けていきます。

 

 

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