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居心地の良さの設計

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スケルトンインフィルについて 書きました

「スケルトンインフィルってなに?」

スケルトンインフィル=長持ちする家をつくるための考え方のひとつです。

 

スケルトン(skeleton)とは英語の辞典では骨格・骸骨という意味です。

 

インフィル(infill)とは隙間を埋めるという意味です。そして私の勝手な解釈では「骨組みと中身を別々に考えて家造りをする。」

つまり、将来何とでもなる長持ちの家を造る設計手法」という意味に捉えています。

 

もう少し説明しましょう。
もともとスケルトンインフィルは鉄骨造や鉄筋コンクリート造のマンションなどで使われた言葉です。

鉄骨造なら10メートルの間に柱が無いのはざらですし、コンクリート造でも6メートル角の中に柱が無いのは普通。だからやりやすいのです。

となると木造は・・・

 

木造のスケルトンインフィルの考え方

木造でスケルトンインフィルを実現するためには、間取りの前に構造を考える必要があるのです←これ最重要

 

木造の経済スパンは約4メートル(3.64メートル)これをグリット(一つの四角い単位)として考えていきます。

 

なんて書いてしまうと訳がわかりませんよね。じゃあ、下の図を見てください。

この落書きのようなものは、現在、岐阜県大垣市で杉を中心とした自然素材で計画している住宅の計画で、最初に書いた図面です。(の、再現版です)

 

これは、主要な柱と梁を書いた図面です。

 

この図がタマゴグミのスケルトンインフィルの家を設計する手法です。

重要なのは、スケルトンインフィルにするために部屋の中の柱を減らす、それも構造的に無理なく減らすということと、主要の柱(ここで言うと部屋の中の柱と隅っこの柱は1階2階でずらさないということです。

 

「間取りも何も出来てないじゃんかよ。」

と思いますよね。そうです。間取りを細かく考える前に構造の位置を決める。

これが重要なのです。

 

けど、この段階で、ご予算、土地の大きさや形状、駐車場の位置、お客様の要望、外観を殆ど考えて書いているのです。

 

「凄い さすがプロ」(って言ってくださいね)

いや~これは慣れで出来るようになります。おすし屋さんが毎回握る米粒が殆ど同じという技術と同じようなものです。

 

なぜ間取りから考えないのか?

これには人に言えないふか~い訳が、ありません。

間取りから考えると1階と2階の壁がずれて結果、柱がずれてしまう可能性が高いからです。そうすると、梁に変な力がかかり凄く危ない家になってしまいます。

 

ちょっと参考までに

そういう危ない家ですが、建築確認申請(お役所が図面を見て法規どおりの家かチェックして建てていいよと許可する行為)は通ってしまうのですね。

 

小規模木造の確認申請場合、どうなっているかよりどんな資格の人が設計したかなんです。一級建築士の名前が図面に描いてあればOKなんです。

※このいい加減な法律も 2025年で改正されます。

 

 

間取りはどうやって考えるのか

 

上記の図で二階部分を用紙上に書いて(赤い部分ですね)1階と2階の間取りを同時に考えます。

それによって構造的に無理が無い間取りを完成させるのです。

そして結果、下のような図面が出来上がります。

 

この図面は、大垣市の物件の図面ではありません。

 

岐阜県揖斐郡に実際に建っているタマゴグミの自然素材の家の2階の設計図です。

 

見ていただいて解るように、外の壁には規則正しく柱(真四角なもの)が並んでいますね。けど、部屋内の壁は、間柱と呼ばれる柱の半分の太さしかない材料が並んでいます。

そしてこの部屋内の壁は、将来いつでも壊したり移動することは可能なのです。

 

家を永く使い続けるためには、住む人、引き継ぐ人に合わせて間取りの変化が簡単に出来るようなものが理想です。

想像してみてください。

 

15年後、お子様が巣立ってお二人になったとき、どんな間取りがいいですか?

40年後、一階だけで暮らすようになったときは?

お子さんが「同居しようか」といってくれたときの間取りは?

お子様に譲るか、もしくはその家を他の人に貸す場合の間取りは?

 

これらに対して完璧に間取りを変えることは難しいかもしれません。

ただ、何とか対応できる、それも安価で対応できる、それが出来たらずっとその家は使われる可能性があるのです。

長持ちする家は間取りが自由になる家なのですね。

 

以上、スケルトンインフィルについてお話しました。

ご質問や知りたい言葉など受け付けています。

ご連絡は info@tamagogumi.com までお願いします。

小学生を対象にした間取り教室に使った資料差し上げます。

 

単なる方眼紙と、グリッドの意味が解る資料です。これらは一級建築士の私が設計をするときに実際に使っているものです。

ご希望の方は info@tamagogumi.comまで、「間取りを作るための資料送って」とメールをください。

データーでも郵送でもどちらでも送れます。

電話でも受け付けます。電話は058-372-2575です。