2023年 いえづくりはどうなるのか
2023年01月07日
2023年の家づくりの傾向は
2023年 新年おめでとうございます。年末年始はどこにもいかず、ただひたすらNHK+でドキュメント72時間を見ていました。日常の風景を72時間撮り続ける番組で、普通の人たちの物語が何とも言えず面白く、また感動的でずーっと見ていました。
さて、2023年、家づくりはどう変わるか? なんて言っても数日変わっただけで大きくは変わらないのですが、一応年始ですので書いてみます。
家の価格はどうなっていくのか?
ここ数年で恐ろしく価格が上がってきました。2020年、ウッドショックで木材価格が倍になり、コロナの影響で製造や物流が狂いエネルギー価格の上昇や円安で金属や樹脂関連が大幅に上昇しました。
住宅価格は20%上昇したと言われています。タマゴグミでも15%程度価格がアップしています。
年始早々に、樹脂サッシの値上げ・ボード類の値上げの報告を受けており、さらに価格は上昇します。
この上昇、いつまで続くのでしょうか?
色々調べたり聞いたりした結果でしかありませんが、この夏まで続くようです。
じゃあ夏が過ぎたら価格が下落していくかというと・・・・残念ながら違います。価格上昇が止まるであろうという予測です。つまり、この夏から価格が安定するということです。
住宅購入の手助け 補助金や優遇は?
【こどもエコ住まい支援事業】
めだまは「こどもエコすまい支援事業」でしょう。
18歳未満のお子様がいる、もしくはご夫婦どちらかが39歳以下で、断熱性能が一定を満たしさらには、長期優良住宅や認定炭素住宅である条件を満たす必要はありますが住宅の性能はたいしたレベルが求められているわけではないのでお子様、もしくはご本人の年齢条件さえ満たせば問題なく取得できるものです。
金額は100万円 大きいですよね。
但しここで注意点があります。
こどもエコ住まい支援事業の認定を受けるためには、長期優良住宅もしくは認定低炭素住宅の取得が必要となります。この費用が各社によって変わります。
取得手続きや書類を外部に出すと申請費用を含めて税込み30万円ほどかかります。タマゴグミのように内製化している場合は、申請費用+αで済みます。ちなみに弊社の場合は税込み10万円です。
ということは、実質使える金額にすると70万円弱~90万円程度となるということです。
その他にも、補助金はありますのでご興味のある方はお尋ねください。なお財源が重なると片一方のみという場合もあることにご注意ください。
【住宅ローン減税】
今年もあります。所得税+住民税の一部を13年間にわたり減税してくれる制度です。
減税の額は、ローン残高の0.7%が限度です。
またローン残高の上限が決まっており、長期優良住宅の場合は5000万円 省エネ住宅の場合は4000万円 その他の場合は3000万円までです。
ここで注意しなくてはいけないのは、そもそもあなたが所得税と住民税をいくら払っているのかの把握をすることと、住宅ローンをいくら借りるのかです。
「うちは長期優良住宅だから5000万円×0.7%で35万円ね。」ではないということです。
補助金や減税をどう考えるのか?
昨年末、恐ろしい現象が起こりました。1日で「こども住宅支援事業」が打ち切られたのです。
2022年11月28日17時53分20秒 予算上限になり急に打ち切られました。
補助金額80万円。タマゴグミも1組のお客様が受けられなくなりました。
28日の午後6時ころ弊社島田がパソコンの画面を見つめながら放心状態になっているのを今でも忘れません。
タマゴグミの場合、岐阜の木で家家づくり支援事業で補助金をカバーできたので良かったのですが、補助金なんてこんなもんだということを思い知りました。
ですから、あなたにはこのように考えてほしいのです。
補助金なんてオマケ。ないものとして計画しよう
補助金ありきで計画をすると、もらえなかった時に大きく計画が崩れます。
だから、最初からないものとして考えてほしいのです。
住宅ローン金利はどうなるのか?
住宅ローンの金利は銀行が優良な企業に貸す金利(プライムレート)に連動しています。
変動金利は短期プライムレート(企業への1年以内貸付の金利)10年固定や全期間固定金利は長期プライムレート(企業への1年以上の貸付金利)に連動しています。
もっと簡単に、そして強引ですが解りやすく説明します。
10年固定や全期間固定の金利はアメリカの経済状況で決まってしまいます。今、アメリカは行き過ぎたインフレでお金の流れを絞るために金利を上げています。それにつられて日本の長期金利も上がり結果、固定の住宅ローン金利も上がるのです。
変動金利は日本の気分次第で決まります。短期金利は日銀がどう考えているかで金利は決まります。日本はまだまだ金利を抑えなきゃと考えていますので、短期金利は上がりません。よって、変動金利はこの方針が変わらない限り上がることはないでしょう。
2010年代は私は徹底して長期金利、それも35年間の固定金利を強く進めていました。
なんせ2年程前は35年固定で1%ちょっと、その前は1%を割ったこともありました。
こんな金利はミラクルと考え、殆どの方に進めてきました。
2023年1月現在16銀行の35年間固定金利の金利は何と1.59% この金利では強くは進められないなと思っています。
結論を書きます。
全期間固定金利と変動金利 どっちを選んでいいか解らない
これが私の本音です。
2023年は夏過ぎまでは固定金利は上昇し続け、変動金利は今年も変わらない金利が続くと私は予想しています。
初期の資金計画は全期間固定の金利で計画をして安全第一に
実際に申し込むときは、全期間固定と変動金利 この2つから考える。
10年固定等は、内容をしっかり吟味して選択すること。
本音は、2%になるまでは全期間固定金利を選んでほしいなと思っています。だだ、35年間今の金利が続くと1000万につき200万円ほど余分に支払いが増えますが。
住宅の性能はどうなる?【構造編】
構造の性能のバロメーターは耐震等級となります。
最低が耐震等級1 最高が耐震等級3となります。耐震等級3の強さの説明が難しいのですが、イメージしやすい比較としては、警察署や消防署は耐震等級3が義務化されています。
つまり、大きな地震があっても壊れちゃいけない建物と同じレベルと思って頂ければ結構です。
今年は 耐震等級3が当たり前になると思います。
そして、木造住宅の構造をきちっと設計する方法の「許容応力度計算」という構造計算を行うことが常識になってくるのではと思います。
因みにタマゴグミは両社ともクリアしています。
また、制震構造が普及しだして、免震構造もちょくちょくと出てくるのではと思います。両者を説明していると長くなるので割愛します。
住宅の性能はどうなる?【温熱環境編】
2022年、リクシルも普及型の樹脂サッシを販売しだしました。これでサッシの2大メーカーのYKK・リクシルとも樹脂サッシを持ったことになります。
これにより、住宅のサッシは樹脂が主流となりました。
今年は、殆どの住宅が樹脂サッシになると思われます。
それに加えタマゴグミレベルの住宅屋が木製サッシを使用しだすと予想します。
弊社も現在木製サッシの購入ルートを検討しているところです。
外皮性能(断熱の性能と言い換えても結構です)もHEAT20のG2レベルが当たり前になる年になるかと思います。
また、付加断熱が増えてくると思います。付加断熱とは、柱の間に入れる断熱に加え、建物の外に断熱を張り巡らせる断熱方法。
付加断熱が普及することで、住宅価格は50~100万円程度のアップはすると予想します。
断熱性能をどこまで上げるかの判断をするのもお客様の仕事になります
そのための指標になるのが「室温・動的負荷計算」となります。
この計算をすることで、冬は室温18℃以上 夏は室温28℃以下にするにはどんな断熱だったら、エネルギーをどんだけ使って、その電気代(ガス代)は大体いくらかが解ります。
断熱性能をあげると建築費がアップするけど、電気代が安くなるからこっちがいいか。とか、断熱性能をあげても電気代があまり変わらないからこっちでいいかという判断ができるようになります。
断熱・省エネ性能が上がることで問題やクレームが増えてきます
ここ数年で一気に断熱性能や省エネ性能が上がってきました。
もうすでに問題がボツボツと出始めています。
私が知っている範囲でいうと、「この家はエアコン1台で十分過ごせますよ。」と言われて作ったけれど全くダメでクレームになったというものです。
断熱仕様や設備を聞いてみたら、絶対ムリ という内容なのに平気で言い切ってしまう方々がいるようです。
このような問題が多々噴出してくる年でもあると思います。
冬は暖かいけど夏は暑くていられない。
エアコン1台で全館空調していたら恐ろしい電気代になった。
機械のメンテナンスが大変でこんなはずじゃなかった。
このような問題がここしばらくで出てくると予想します。
また、今後5~10年後には
気づかない間にシロアリ被害にあってしまった。
壁の中の結露で木が腐ってしまった
空調機器が壊れても修理できない(修理代が高額)
というもんだが出てくると思います。
これは、ここ数年で一気に進んだ性能アップに 工務店や設計事務所の知識や施工技術がついていっていないのが原因です。
これを見分ける方法は・・・ちょっとここでは書けませんのでメルマガで書きます。
岐阜ではデザイナーズ住宅がさらに増えると予想します
2023年春に県庁近くに名古屋No1のデザイナーズ住宅ビルダーがモデルハウスをオープンします。これによって、デザイナーズハウス熱がさらにヒートアップすると予想します。
デザイナーズハウスをご希望の方にとっては、選択肢が増えてよいかと思います。
タマゴグミは普通の家をつくる工務店ですので、今年もボチボチとやっていきます。
この情報は以上です。
空き家再生住宅元年 にしたい!
これは私の希望です。
羽島市で空き家再生住宅のモデルがやっと完成に近づきます。
4月頃からお見せできないかなと思っています。
新築価格が上がりすぎています。
昨年も弊社で長年検討されてきた奥様から、価格の高騰が激しすぎてもう建売を買うしかありません。と悲しそうに連絡を頂きました。
こんなことじゃいけないと思い、空き家を今のタマゴグミとほぼ同じ仕様のフルリノベーションをしてみたらいくらになるかをやってみました。
土地込みで2000万円台前半で販売できると確認できました。
その建物を見て頂こうと思います。
新築にかわる新しい選択をつくりたいと思っています。
1年間近くはモデルに使いますが、その後は販売予定です。
以上、私見で2023年の住宅を予測してみました。
参考になれば幸いです。
※こそっとお知らせ
2023年1月末に「コスパの良い家のつくり方」の本を配布予定です。
まずは、今まで資料請求(家づくり勉強セット)をお送りした方でご希望の方に配布する予定です。
タマゴグミの家づくり勉強セットはこちらから 家づくり勉強セット