廊下をなくすと広くなる? コンパクトハウスのつくり方
2024年02月06日
タマゴグミの家は廊下が少ない家が多いです。そんな設計がいい・・わけではありません。そういう例が多いということだけです。
廊下をなくすと広くなるのか?
下のプランは30坪弱の家の
1階部分です。この家は実際には建っていません(まあ、ボツになったというお恥ずかしい話です)
一番わかりやすい例ですのであげました。
限られた面積内で食事とくつろぐ場所は別に、区切れる和室を設けるという女権から造ったプランです。
一見廊下がないように見えますが、
廊下として区切られていないだけで、しっかりと廊下もどきができています。赤い線がそうです。
食事をするカウンターと後ろの壁の間は1200程度しかありません。腰かけるとカウンター先から60㎝はとられます。のこり60㎝あるからOKとしましたが、正直言って後ろを通られるのはうっとうしいです。
このプランが成り立つのは、食事はみんな一緒に取る。椅子はちゃんとしまう。カウンター上は食事が終わったらすぐに片づけるが条件です。
次の例です。
24坪程度の家のプランです。
コンパクトな家でもちょっと上級の空間をと思い、キッチンを出来る限り隠した例です。
この家も
しっかりと廊下もどきができています。
赤色の線の間は、少なくとも60㎝の隙間は必ず開けなくてはいけません。
キッチンで洗い物をしているのに後ろを「ちょっとごめん」とパンツ一丁の旦那に通られたときなんか「キィ~~~」っと来るかもしれません。
廊下はいつでも存在する
下の写真は通路にカウンターを設けた例です。
このお宅の場合は最初からこの部分は物置やちょっとした作業台として提案しています。このサイズになると椅子を置くことはできません。
廊下のない家には、ちゃんと廊下もどきが発生しています。ですので、廊下のない家でも廊下スペースを確保して、だれがいつここを通るかという想像をする必要があります。
その通るもの(人ですよね)を視界に入れてもよいのか、そのためにスペースを確保してお体よいのかを考える必要があるのです。
廊下をなくす利点
廊下をなくす利点は、広く感じることと空間の共有ができるので家をコンパクトにできることです。
そして、快適性にもつながります。
現在の家は断熱気密性能が向上して、タマゴグミの家でもエアコン1台で大体家一軒が暖かく、涼しく暮らせる性能になっています。
区切られていないと、快適な空気が全体に行きわたらせることができます。
しかし、プライバシーは落ちます。そのあたりは十分考えてどの部屋をどこに置くかを決める必要はあります。
ついでにこんな考えも
ちょっと話はずれますが、こんなプランも考えられます。
先ほど出したプランをちょっといじった例です。
どこが変わったかというと、洗面脱衣をなくしたのです。
キッチンの丸部分を脱衣代わりに利用して、キッチンを洗面代わりに利用する方法です。
これをやると約1坪の面積が落とせますので、月々のローンが2000円程度減らすことができます。
こんなプランには住めないよ。と思いますか?
実はこんなプランは実在します。私が若いときに勤めていた設計事務所の所長がこのプランを考えて実際に施工しました。
凄く狭い敷地で、洗面脱衣をとるとその分居間を削らなくてはいけなかったのです。
私はその時純粋に「凄い」と感じました。
既成概念に全く捕らわれず、ただひたすら居心地が良い空間を追求してさらにはお客様にも納得いただく力。 ああ建築家や と感じた覚えがあります。
今回は、廊下をなくすということについて書きました。
家づくり相談 毎日受付中です。 ご希望の方はこちら