施工事例

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20坪台の家

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各務原市 23坪ちょっとの心地よさ

家の大きさってどういう意味があるだろう?

 

1階と2階をあわせて23.4坪の空間に4人家族が楽しく暮らす家です。

1階はみんなが集まる部屋と3帖の小さな小上がり、2階は部屋が2部屋と大きな吹き抜け。

 

いたるところに居場所を作ることで変化を楽しんでもらえるようにしました。

例えば階段を上がるところにある本棚。

 

 

ぞれぞれ、お気に入りの本や飾りがされています。

ここから本をとり出して階段に座って読んだり、お子さんが今何に興味を持っているのか知ったりできます。

 

たとえば小上がり

居間にくっついた3帖の居場所。

一般の床より20㎝くらい上げて1m程度の腰壁をつけるだけで特別な居場所になります。

コンパクトな家だからこそこんな場所が重要になってきます。

 

【設計メモ】 本棚や小上がりは意識し設計しているの?

 

小上がりは設計当初から意識をして作りました。タマゴグミではよくつくる場所です。

ヒアリングの段階で、このご家族にとって小上がりは有効かどうかを考えあった方が生活が引き立つと思ったら最初から図面に落とします。

 

階段の居場所や本棚は、偶然を利用することが多いです。

今回は階段室近くにキッチンを配置したことにより偶然出来た30センチほどの隙間を利用しました。

ただし、いつも居場所をたくさん作ろうと意識はしています。偶然出来た隙間は「意識」によって生かされると私は思っています。

外は無限に広がる大きな空間。

 

外部には大きな軒をつけています。そして窓は贅沢なプルオープンサッシを採用しています。

こうすることで、内部⇒中間層⇒外部までスッとつながります。

コンパクトだからこそ外部まで取り込んでしまおうという考えです。

これが今の状況です。道路側にご主人が目かくし壁を施工しました。

 

内部からの景色です。

外部までつながる大きな空間になっています。狭いという感じは全くしません。

 

部屋の利用方法は家族の考えで。

 

写真はお子さんたちが使っている2階の部屋です。9帖の大きさです。

写真を撮らせて頂いたのはお引渡しして3年後くらい、まだお二人とも小学生の時代です。

いま、上のお子様が中学3年になり受験の時期になりました。

今年お客様からの依頼でこの部屋をご主人と私で仕切りをつけました。

 

てっきりこの部屋をお子様二人で使ってと思っていたのですが奥様から「上の子はしばらく6帖の個室(2階にこの部屋と別に6畳の部屋があります)を貸して私たち3人はこの部屋を使うの。」と伺いました。

いや~面白いです。

部屋の使い方は家族で決めればいいのです。私たち設計者が勝手に「子供部屋」とか「寝室」とか決めつけるのはおこがましいことかもしれません。

 

オリジナルのキッチンはいいの?

 

 

 

タマゴグミではオリジナルのキッチンも提供しています。お客様の選択はメーカーのキッチン50%、オリジナルのキッチンは50% といったところです。価格はメーカーとオリジナルほぼ同じ金額で提供しています。

 

オリジナルキッチンの欠点は収納力の貧弱さ。

メーカーさんが作るキッチンって凄いですよね。えっ?こんなところにも引き出しが! と徹底して収納場所を作っています。

オリジナルは写真の通りです。

 

じゃあ何がいいかというと「変化」です。

メーカーのキッチンは最初の状態を保つことを重視して作られています。硬い塗装で覆われて守れています。そして傷や変色は悪いものとしてとらえられます。

オリジナルは、木の風合いや傷など味となります。つまり変化が楽しめるのです。また、使ってみて収納の形を変えたり、増やしたり自由にできます。

 

副産物として寸法はミリ単位での調整が可能です。高さやシンク・コンロの位置、引き出しの大きさなどはご要望ぴったりに作成することができます。

 

 

コンパクトな家は家族を優しく包む風呂敷のようなもの

 

 

家は格好いいに越したことはありません。大きいほうがいいかもしれません。

だけど、ほんわかと包む心地いいものであってほしいと私は思います。

 

今回の事例は住んでいる様子を出させて頂いたのもそれを感じてほしいと思ったからです。

 

4人家族 大体23坪程度の家。

 

こんな暮らしをしてみませんか?

 

 

 

基本設計:井手 徹

実施設計・管理:島田悠平

2017年 完成

 

2023年7月 奥様へのインタビューより

 

この大きさの家に7年住んで実際どうなの?

設備機器の調子が悪いということで訪問。ついでに、いろいろインタビューをしてきて解ったことです。

 

いて:お子さんはいくつになれたのですか?

奥様:高校1年と 小学校6年です。もうずいぶん大きくなったんですよ。

 

いて:お子さんたちの居場所はいつもここですか?(ここ=1階居間)

奥様:そうですね。ここで2人でテレビを見たりなんかやってます。けど二人の意見が合わなっくなるとお姉ちゃんは2階へ行ってしまいますね。

 

いて:実際 物置とかは足りていますか?

奥様:子供たちがつくった工作の作品なんかを残しておきたいのですが、なかなか残せないです。それと、大きくなってきたら服やら色々増えてきて子供たちのための収納がチョット足りないかも。

 

※急な訪問だったので、いつも通りだったと思います。きちっと整頓されており、小物やドライフラワーなど飾りつけがされていました。大変雰囲気の良いなと感じました。壁にはお子様の趣味のギターが3本ぶらさげてあり、カッコいい家になっていました。

 

そこで、「物置は十分足りていますよ。」という答えを期待して上の質問をしてみました。けど・・・やっぱりチョット足りなかったようです。

 

いて:結構断捨離と化していますか?

奥様:はい、結構捨てています。その辺は思いっきりがよくなったかも。

 

いて:あとどれくらい収納があったら満足ですか?

奥様:そうですね。あと2帖、まとまった部屋みたいなのがあったらみんなの衣裳を集められるのでそれで充分かなと思います。

 

住まれてからの意見は私にとって貴重な情報源です。

 

インタビューからの井手の考察

収納はそのご家庭により調整しなくてはと思います。

今回の場合、私が考えるに「考慮期間の収納場所2帖」をつければ良かったのかも。と思いました。

 

きちっとされており、収納場所も決まっているような感じを受けました。けど、モノ、特にお子様のものは急に増えることがあります。お子様の学校のものもそうですが お子様の急な成長により好みが大きく変化して衣装や持ち物が増えたりするのではと思いました。

 

もし、この家になんでも置ける2帖のスペースがあったらとりあえずそこに押し込んで、半年に一度程度見直して断捨離する収納があったら良かったのかもしれません。

 

そんなふうに思いました。