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日記

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自然の力を生かし人をつなぐエコ住宅 

エコ住宅というと、何を思い出しますか?

高気密高断熱・太陽光発電。それともUA値とかG2 G3とかのグレードですか?もっと詳しい方はηACとかηAHとかマニアックな数値ですか?

これらもすべてエコ住宅の需要な要素であり数値ですね。タマゴグミも凄く気にしている数値や要素です。

 

けど、数値に表せられない(表そうと思ったら膨大な計算が必要だろう)方法もあるのです。

神奈川県藤沢市辻堂 ちっちゃい辻堂を見学してきましたのでその報告です。

ちっちゃい辻堂

辻堂の若い地主さんが理想の住まい方ができる場所をつくりたいと考えて造り出した5棟の戸建て賃貸の小さな町です。

 

生きものどうし、無理なく支えあいながら心地いい暮らしのかたちを、時間をかけて育てる場所。

自然の循環に身を委ねることを、ひとりひとりが背伸びせず自分らしく模索できる場所。

虫たちや鳥たちも行き交う、みんなが安心できる場所。

ちっちゃい辻堂は、そんな場所を目指しています。

ちっちゃい辻堂ホームページより https://chicchaitsujido.life/

 

 

 

ちっちゃい辻堂全景。これが都市部にあります。(タマゴグミ事例ではありません)

 

雨を排水しない舗装

解りやすく舗装と書きましたが、敷地内はまるで森の中のようです。

外構設計者に聞いたところ、この敷地から雨の一粒も外に出さないようにできているようです。

最近多くなってきた洪水の一端として、住宅の屋根やコンクリートで固められた宅地に降った雨をすぐに排水に流し込んでちょっとした雨ですぐに推量が増えてしまうことがあります。

 

この敷地は、こんな感じで作られています。

 

木のチップと砂利を交互に敷き詰めた30㎝の層を作っています。それによって、敷地に降った雨はもちろんのこと、屋根に降った雨も樋から垂れ流しでこの層に浸透させているようです。

木々の水分補給も十分できます。

ただ、30㎝の層だけでは、水は浸透しないようです。そこで、所々に竪穴を60㎝ほど掘りそこに木チップと枝を詰めてあるようです。その穴があることで水が底に流れ込み、父雄に浸透しやすくなるようです。

また、その穴があることで木々は穴のほうに根を伸ばし大風でも倒れない丈夫な根になるようです。

 

実はこの仕組みは特別考えたものではありません。森の構造そのままなのです。60㎝掘った穴も自然界ではモグラたちがつくっています。自然界は凄い。

 

さらにこの舗装が自然のクーラーになります

この舗装にした理由の大きな一つは、自然のクーラーをつくることです。

その仕組みをちょっとだけ。

すみません。図を使いまわしています。

 

30㎝のチップの層に水がたまることによって、その水が蒸発します。水が蒸発するとき周り熱をうばうという性質があります。これを蒸発熱と言います。

その蒸発熱で地表表面の温度を下げることにより、この土地に風が吹くのです。

これは、熱は高いところから低いところに流れる原理を利用しています。

 

木々の葉っぱからも同じような効果が得られます。木が吸い取った水はやがて葉から蒸発していきます。その時周りの熱を奪い周りをひんやりとさせます。

 

多分この効果を計算式で表して、効果を数値化することは非常に複雑で、また自然相手のことですので安定した効果持続は望めないでしょう。

 

窓を開ける意味がある効果と風景

私がこの街を見て凄いなと思ったのが「窓の意味を具現化していることです。」

真夏でも、外気温が下がることがある仕掛け、外を眺めたくなるような景色、子供だけじゃなく大人も走り回りたくなるような地面。

窓をちっちゃくした方が性能が良いという傾向にある現代の家にとって、こんな考え方もあるんだということを教えられました。

 

 

予算はあまり使わず、人力を使って

写真に出てきたチップは山からの拾いもの。石ももらい物。木々も切られて捨てられてしまうはずだったものを山からもらってきたようです。

そういえば・・・

私もお客様から依頼されて、解体する家やご実家のお庭の大きな木を切り倒しに行っています。

多分買ったら、数万どころか数十万するようなものもあったと思います。

世の中エコとかSDGsとか言われていますが、エコじゃないことをたくさんやっているような気がします。

 

ちっちゃな辻堂の賃貸住宅の内部。(タマゴグミの事例ではありません)

 

住むを楽しむことができるかどうか

良いことばかり書きましたが、住むのには覚悟が必要です。

この賃貸住宅群のおきては「自分たちでやる」です。

木チップ舗装も、補充や手入れが必要です。樹木の伐採もそうですね。それらは住民がすべて行うのがルールです。

 

敷地の片隅に置いてあった木チップと藁や葉っぱを混ぜたもの。これらの管理や補充も住民です。

また、虫やミミズ、野良猫に鳥の糞・・・苦手の方にはちょっと辛いでしょうね。

 

日本には良い言葉があります。 「手間をかける」

手間をかけることで、人は達成感や満足を得ます。また、リラックスや新しい発想にもつながると言われています。

 

もともとタマゴグミのお客様は手間をかけるのが好きな人たちが多いと感じています。

また、タマゴグミでだけではなく手間をかけることが好きな人は確実に増えてきています。

 

ちっちゃな辻堂、今後の展開に注目していこうと思っています。