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「ヒアリング」って何?

今回は、いい家を造るために大事な行事、ヒアリングについて書きます。

 

この週末もヒアリングを一つさせて頂きます。その方に向けて書いています。

 

設計事務所や工務店に行くと「じゃあ、ヒアリングをさせてください。」なんて良く聞きますよね。 そもそもヒアリングって何?って思ったことありませんか?

 

もしくは「ああ、ヒアリングって、何帖の子供部屋がいくつほしいとか、リビングの大きさは18畳位とか伝えることでしょ。」とお思いでしょうか? 実はヒアリングはいい家を造るために重要な情報三大要素のうちのひとつなのです。

いい家を造るための情報で重要な3大要素とは

1)敷地の情報
大きさや方位法的な情報だけでなく、周りに建っている(建つであろう)建物の状況、環境、季節の変化、景色等その土地にある特有の情報全て。

2)お金の情報
お客様から伺う予算では決定せず、きちっと資金計画やローン計画を組んだあとに算出した金額。外構や必要な家具等をを含めた家にかけられるすべての予算。

3)ヒアリングで伺った情報
今から書く情報です。

私はあなたにとって いい家を知りません

いい家ってどんな家でですか?とたまに聞かれることがあります。

一番悩む質問です。

「えっ?プロでしょ。」って思いますよね。家を作っているプロだからいい家ってすぐ答えられるだろ。と思われますよね。

実はわからないのです。

 

私にとっていい家はわかります。そして、タマゴグミとして造る家も明確になっています。「丈夫で長持ちな家」です。そのために、タマゴグミでは造る家のルールが全て決まっています。

 

じゃあ、何がわからないかというと、あなたにとっての「いい家」がわからないのです。だから私たちは図面を書く前に、あなたにとっていい家を聞き出すためにヒアリングをするのです

いい家を教えてくださいと言われても・・・

あなたにとっていい家を教えてください。なんて言われても解らないですよね。当然です。けど、本当は知っているのです。

なぜ解らないのか。それは、「家」という物体をイメージして考えるからです。

「????? 家を造るのに家を考えるなって??」

家を考えてくださいと言われると、どうしてもデザインとか、間取りとか、断熱材がとか、性能がとか、耐震性がとか考えてしまいませんか?そして、それらを比較しだしてしまいませんか?そして、私たちに「断熱際は・・・」「性能は・・」という話をしてしまいませんか?

 

これらは非常に大切なことです。けどヒアリングの時には一旦忘れましょう。

 

もうひとつ、家を考えてしまうとどうしても「6帖の子供部屋が2つかな?」「リビングは20帖でその隣に和室かな?」なんて考えてしまいますよね。で、私たちに伝える言葉は「子供部屋は6帖2つで押入れをつけてください。」という話になってしまいませんか?

 

これも大切なことなのですが、あえて伝える必要はありません。ヒアリングをする私たちは家づくりのプロです。将来にわたっての家族構成やお子様の教育方針、あなたがお子様のときにどんな暮らしをしていたかを伺えば、子供に対してどんなスペースが必要かは何となく見えてきます。

 

となると・・・・伝えることないじゃん。と思われますよね。いやいや、伺うことがいっぱいあるのです。

ヒアリングでは何を伝えればいいの?

ヒアリングは私たちがあなたから家づくりの情報を聞きだすことが目的です。

 

=基本的なこと=

例えば、お子様は何歳ですか?将来的にご家族は何人だったら嬉しいですか?とか

車は何台持っていてどんなときにどんなふうに使いますか?とか

将来親さんを呼ぶご予定はありますか?とか、

ご主人や奥様の出勤 帰宅時間とか・・・

 

=好きなこと・嫌なこと=

例えば「夏は暑いのが嫌なんだけど、夕方なんか風を感じるところで回りを気にせずにぼ~っとしたいんだ」とか

「いつも机の上に物がいっぱい。何とかしたい。」とか

「玄関に靴が出ているのが嫌で嫌で、全部投げ捨てたくなるの。」とか

「この子が小学生になったら料理を少し手伝ってほしいな。」とか

「子供たちの勉強は食卓でやって私も近くに座ってお茶なんか飲めたらな。」または「静かな場所じゃないと全然眠れないのです。」とか

 

=日々のこと=

あとは、お休みの日は何をしていますか?出かける派ですか インドア派ですか?

晩酌はしますか? 食事の時間は長いほうですか?

時間があったらどんなことをしていますか?とか

 

夢のマイホームだから夢をもっときいてほしい。

と思いますよね。

ヒアリングではまず事実を捉えることが重要です。

それらを聞いて私たち家を作る側はあなたの希望を実現するために物理的に設計していきます。

けど、事実だけなんてチョット寂しい。やっぱり夢のマイホームを作りたいから。

家づくり こんな夢 あんな夢

「夢のマイホーム」といいますが、私はその夢を「夢の生活」じゃなくて「夢にまで見た自分の家を手に入れる」の夢と捕らえています。とはいっても、夢を実現したい。少しだけ夢について書きます。

 

例えば、オープンでお洒落なキッチンを考えてみましょう。

今朝の朝食は何を食べましたか? 昨日の夜の食事はどんなものでしたか?今日のお昼は??

はい、今頭の中に浮かんだのが「現実」です。

 

もしそれが、「昨日の夜はイセエビのテルミドールにちょっと白ワインを頂いたわ」という生活が殆どだったら、それなりの見せるキッチンを用意したほうがいいですが、「昨日は、アジの開きトン汁だったわ」という生活が殆どとしたらカッコいいキッチンの裏にもうひとつ日ごろ用のキッチンが必要になりますよね。

 

例えば、お子様が喜ぶように階段横にすべり台や木登り??をつけたりします。お子さんが巣立った15年後、どうしますか? 非難のときにチョットは役立つかもしれません。

「ああそうか、そんな夢は語ってはいけないんだ。やっぱり難しいな。」

と感じるでしょう。チョット矛盾したことを書きます。

 

オープンキッチンがほしい。子供が喜ぶ仕掛けがほしい。アウトドアのような家がほしい・・ 遠慮は要りません。どんどん言ってください。

私はその言葉からあなたに真意を探る質問をします。例えばオープンキッチンがほしいという夢の場合、そのキッチンでどんな姿を想像したのか聞きだします。そして代用案をご提案します。考えれば代用案は色々あります。

 

私が設計で気をつけていることは、あなたの今までの生活をガラッと変えることをしないということ、将来的に無駄になるものを造らないことです。

夢の生活は今までの生活の延長線上にあると考えています。

とはいうものの

よくヒアリングに失敗します。私にとっても上手なヒアリングは永遠の課題です。

 

春過ぎに着工する方へ2回目の提案をしました。前回の面談で「工房が欲しい」というリクエストを得て工房付きのプランを3案提出しました。

3案出す時点で本当はダメなんですが・・・つまり聞き取りが甘かったということです。A案 B案 C案 私はA案が一押しでした。しかし結果はB案に、というのもA案はガッツリ工房ありきのプラン。B案は将来工房が出来るようにしておく案。前回の面談で工房を作るという物理的なことのみを伺ったのみで、お客様の工房に対する思いをきちっと聞いていなかったのが私のミスでした。

まとめ

よい家を造るためのヒアリングは何を話してもいいのです。気をつけることは、家を造るのだから家のことを言わなくてはいけないと自分を縛らないことです

断熱とか、耐震とか、何帖とか、カフェ風とか・・・

 

 

それらにもう一つ、付け加えてください。こんなところに旅行してきて楽しかった、こんなところで子供と遊んできたら楽しかったとか、狭いところで本を読んでいると落ち着くとか、昔はバイクが好きだったんだとか、そんなお話を沢山伺いたいのです。

それがよい家につながっていくと私は考えています。