タマゴグミの2025年の家づくりを振り返って
2025年12月29日
2025年の家づくりの特徴は
2025年、タマゴグミの家づくりを振り返ることで、何か見えてこないかなと思って書いています。
今年も値上がりの年でした
コンクリート価格10%アップ、樹脂サッシも10%近くアップ、木材はあがったまま下がらない、ユニットバスやキッチンも今年の春に大幅値上げしたくせにまた来年春にあげるって。
TOTALで10%程度はあがったのではと思います。
ただ、大工さんの手間とかはここ数年変わっていません。
これを言うとダメなんかもしれませんが・・・
「なんで大きいところ、強いところは簡単に値上げをして個人や弱い立場の者はできないんだ!」と叫びたくなります。
これは、ある建材屋さんから噂話として聞いたので真相は定かではありませんが、窓の超大手メーカーが最近平屋ブームや窓を減らす傾向にあって減収になっているから、その分価格を上げちゃおう、なんていうことがあったとかなかったとか。
タマゴグミの対策は
以前から行っている材料探しに力を入れました。
カタログに載っている製品を使えば、建材屋さんが扱っている商品を使えば、施工性もよく間違いないのですが、価格を落とすことができません。

今年、大垣市で建てさせていただいた街中住宅です。天井材は大工さんに作ってもらった胴縁。
それで、弊社島田君が原木を持っている大工さんの親っさんに頼み込んで天井に使う材料を、胴縁価格(下地の価格)で作ってもらった材料を使ってみました。
かなりお値打ちにこんな天井が提供できました。

今年、瑞穂市で建てさせていただいたお宅です。この天井も、大工さんに刻んでもらった材料で作っています。
材料探しのコツはその材料の名前を無視する、妥協点を探す、お客様に説明して納得してもらうです。名前をつけると、胴縁=下地用 構造用合板=床や屋根の下 という固定概念にとらわれます。名前を取ってしまえば、その材料はどこに使ってもOKなのです。
ただし、材料の知識が必要となり大工さんや製材屋さん メーカーに聞きまくることが必要です。
その他では、B品(ちょっと傷がついていたり、曲がっていたりする材料)を探したり、構造計算をきちっとやって無駄な材料を省いたり、自分たちで施工をしたり・・・
それでも値上げのスピードにはとても追いつけませんでした。
超低金利時代の終焉
円安で輸入インフレが続いているから、金利が上がるのは仕方がないけど・・・・
フラット35などの固定金利は2023年ころから上がってきています。
固定金利は海外の金利に影響されやすい長期プライムレートに連動して上がります。そして今年3月全く動かなかった短期プライムレートがとうとう上がりました。それに引きずられて変動金利が上がりました。
変動金利が0.5%を切っていた夢のような(たぶん夢だったんです)金利は終わり、1%を超えようとしています。
価格上昇、金利上昇のダブルパンチで新築は高嶺の花となっていく序長を感じています。
タマゴグミとしては、
新築価格は込み込み2600万円台 そして、中古再生住宅を本格的に取り組もうと計画しています。月々のローンの支払いが10万円を超えるのはキツイ。となると借り入れは3500万円程度で止めなくてはいけません。
当然 予算のある方はウェルカムです。頑張っている人にも、性能が良く持つ喜びがある家を提供したいと思っています。
今年、ローンを途中で変動金利からフラット35に変えたお客様もいます。
正直、変動金利のほうが35年間の総額は安いのかもしれません。
けど、フラット35に変えたのは英断だと思います。
今、フラット35は大幅な金利優遇をしています。5年から10年の間フラット35で様子を見るというのも一つのていだと思います。
ただ・・・後付けっフラットの手続きは大変だった(長期優良住宅を取っておいて良かった~)

今年、大野町で建てさせていただいたお宅です。4面全部からみられる家は外観に結構気を使います。
平屋か平屋じゃないか
今年は大垣市に平屋を建てさせていただきました。タマゴグミとしては大きな平屋です。
平屋をご希望の方にいつも私は「本当に平屋が必要ですか?」と尋ねます。
本当は建築屋としては平屋が建てたいのです。
低く抑えられるプロポーションは格好いいし、同じ床面積でも価格が上がるのでちょっと儲かるし、今年から変わった確認申請は楽になるし。いいこと尽くしです。
平屋を建てるということは、お客様としては負担が増える、将来もしかしたら無駄な部屋ができてしまう、予算に合わせようとしたら個室をギュッと小さくする必要がある、と結構リスクもあります。
けど、大垣では平屋を建てました。理由はお客様の熱意です。

今年 大垣で建てさせていただいた平屋です。格好いいですね。
建築基準法改正に翻弄された1年
4月からの法改正で申請業務は混乱しました。
影響で、長期優良住宅の申請や他の申請が影響を受け。通常1か月程度の審査がなんと3か月もかかるハメに。
そのおかげでお待たせしてしまう物件が続出しました。この影響はまだまだ続いています。
法改正でよくなったのか?というと、大したことありません。
ある程度勉強して実践している工務店なら もうとっくにそのレベルは超えているという内容です。
増えたのは手間と申請代金の負担。儲かっているのは、構造や省エネの代行の設計事務所さん。
ただし、法改正につられて許容応力度計算の基準の見直しがあり、これらは非常に進化しています。

今年、大野町で建てさせていただいたお宅です。焼杉を使いましたが、いいですね。
タマゴグミオーナーさんからの依頼
今年は、建てさせていただいたお客様から、自宅に事務所設置、事務所と自宅改装、部屋を作業場に改装、ロフト増設・・・いろいろご依頼をいただきました。
ありがたいのが、建てさせていただいたお客様が、弊社にご依頼をかけていただけることです。
写真はロフト工事の様子です。

ロフト工事の様子。あたかも初めからあったようにできました。
梁や柱、天井が丸見えの家はこのような改装がしやすいです。ただし、念のため計算をかけて梁や柱が耐えられるかは確認する必要があります。
それから、

若い大工さんと建具屋さんで完成させました。
かわいい猫さんが、吹抜けから落下しないようにと、柵と建具を設置しました。
限られた素材、ちょっと武骨な素材で作られた空間は、このように変更しても全く気になりません。
弊社も工務店をはじめてもうすぐ20年。このような依頼がボチボチと出てきてうれしい限りです。
今年もいい家を建てさせていただきありがとうございました。2026年もよろしくお願いします。
さて、次のブログでは2026年の家づくりについて書きます。







