岐阜県羽島市の平屋で珪藻土施工中です
2022年07月16日
羽島の平屋の現場では一部の壁を珪藻土仕上げにしています。
珪藻土を塗っているのは塗装やさん? なんで?
塗っているのは左官屋さん ではありません。ペンキ屋さんです。
えっ?なんで? タマゴグミは素人に珪藻土を塗らせるのか?と思いますよね。
実は、塗装屋さんもコテを使うことがありますし、彼らは器用なんです。
それともう一つ大きな理由があります。
それは、コストです。
今回、珪藻土塗りは一部でその他は水性塗装で仕上げています。
少しの作業で左官屋さんを呼ぶと数時間程度の作業でも1日の単価となりますので高いものになってしまいます。
塗装屋さんにやってもらうことで、少しの珪藻土塗りでも単価を上げずに済むのです。
最初塗装屋さんいお願いした時は「え~っ。俺塗装屋だぜ。」とちょっと抵抗がありましたが、今は楽しんで塗ってくれています。
ちなみにうちの事務所の一部も珪藻土なのですが、それもこの塗装屋さんが塗ってくれました。
使っている珪藻土ですが、これです。
タマゴグミを始めてからずっと塗り壁を探してきました。
色々あるんですけど、なんかローラーで塗った漆喰風とか色々見てきましたがいまいちピンとこない。やっと見つけたのが、高千穂のシラス壁でした。けど、これは高いし左官屋さんしか扱えないし、気軽に居心地の良い家に住んでもらいたいという タマゴグミでは標準にできないなと思ってきました。
それならもう無理をせず 安全な水性塗装と、高知の和紙を仕上げで行こうと思っていました。
この珪藻土を見つけたのは7年ほど前です。
湯布と書いてあるので、ご想像頂けると思いますが九州は大分のものです。
7年ほど前に 大分の日本ハウジングの馬場社長と知り合い、その会社がオリジナルで使っていた珪藻のこだわりをコンコンと話してもらって一目ぼれ、分けてもらうようにしました。
話は変わりますが湯布院はいいですよ。馬場社長に連れて行ってもらったグリーン色の温泉、忘れれません。
で、この湯布珪藻土、実は50%は北海道の稚内珪藻土を使っているのです。
なんで湯布珪藻土?という気持ちもあるのですが、その点には突っ込まないようにしています。(多分開発した日本ハウジングが大分だったからでしょうね)
なんでこの珪藻土を使うのか
ホームセンターに行くと珪藻土はたくさん売っています。他のメーカーでも山ほどあります。
けど使う気がしませんでした。それは、素材へのこだわりが解らなかったからです。
この珪藻土は自然素材の 珪藻土と白土 食用デンプンノリ セルロースファイバーしか入っていません。
だから、口に入れても安心なのです。(食べないですけど)
それと、科学的な接着剤を使っていないので床にベタっとついても安心ですし、塗りなおしや補修もムチャクチャ楽なのです。ということは、すごく長く使える仕上げ材ということですね。
そして肝心の珪藻土にもこだわっています。
わざわざ稚内珪藻土を使用するのは、この地域特有のメソポアという単位の小さな穴が開いていて、珪藻土の中では調質性能が抜群に良いからです。
この多きさが湿度調整をするのに最適な穴なのです。これより大きくても小さくても調湿効果は落ちてしまいます。
利点を書きましたが、利点ばかりではありません。
欠点を上げると
まずは、塗装よりも価格が高いこと。通常の塗装の倍程度の価格です。
タマゴグミの標準的な家で、全てケイ素度塗りに変えると約30万円ほど価格が上がります。(けど、塗り壁では安いほうだと思いますが)
そして、落書きや汚れをふき取ることができないことです。それに伴い手でこすったり服でこすると粉が少し出ます。どうしても化学ノリを使っていないので接着が弱いのです。
ただ、直す方法は簡単ですが。
もう一つ、これは施工中の注意ですが、材料を練ったまま数日ほっておくと腐ります。
これは自然素材のみで防腐剤が入っていない自然素材のサガですね。
ちょっと前にパン屋さんが書いた「腐る経済」という本が流行りましたね。腐るって悪いことじゃないと思います。それに壁に塗ってしまえば腐ることはありませんのでご安心を。
珪藻土壁はよいのですが
色々珪藻土壁のことを書いてきましたが、一つだけお伝えしたいことが。
珪藻土壁には調湿・防臭性能があり、本物のしっくい壁には殺菌作用があるとか言われています。
けど私は、その効果をあてにはしていませんし、お客様にその効果を強くお勧めすることはありません。建築屋が計算にのらないものをあてにしてはダメだと思うからです。
調湿は、換気をきちっととることとエアコンや加湿器をきちっと使うことをお勧めします。
それを行ったうえで、珪藻土ってなんかいいね。それでいいと思います。
梅雨時なんかに、珪藻土や和紙を張った部屋に入るとなんか違うなとは感じるのです。けど、それはオマケです。
素材を選ぶときは、安全性・味が出てくる素材か(長く使える素材か)・空間を柔らかくしてくれるか(居心地をよくしてくれるか)で選ぶのがよいかと思います。