岐阜で建築させて頂いた そとん壁仕上げの家
2018年04月12日
家の外壁の仕上げは様々です。塗り壁、金属壁、木壁、サイディング・・・それぞれ、特徴があります。
今日は塗り壁のひとつ、そとん壁についてです。
写真は、美濃加茂市で建てさせて頂いたお宅です。ちょっと天気がいまいちのときの写真ですが、緑と外壁が良く似合い素敵な感じです。
ソトン壁は、高千穂シラスという会社が作っている火山灰から出来た塗り壁の材料です。自然素材にこだわった工務店さんが沢山使っている材料です。
外壁材の概念を覆す、超高機能・超高耐久性外壁材。
- 100%自然素材なのに完全防水。シラスの特性を活かした二層構造で雨水の浸入をシャットアウト!!
- 厳しい自然環境にも劣化しない高耐久性。退色・劣化がおきにくいから、建物の維持管理が軽減できます。
- 本物ならではの際立つ質感。他の素材では決して真似のできない生命力溢れるデザイン性。
- 下塗り材でしっかり防水しながら上塗り材がたっぷり保水。壁面からの気化熱作用で建物を冷やす涼感空調システム「クルクール」を設置すれば、地球環境保護にもさらに大きく貢献します
と、ホームページでは言っています。が・・ど~でもいいことです。
私としてはこの質感が良いことと、塗り壁の中では将来的なメンテナンス費用が掛からないのでお勧めしている仕上げです。
この壁の欠点は価格が高いこと。ガルバリウム貼りの壁と比べて約100万円のプラス金額が必要となります。もともと地球の中から噴出した火山灰(いわばタダのもの)を使ってるんだからもうちょっと安くならないかとは思うのですが、人件費がやっぱり掛かるのでしょうね。
そとん壁は写真のような感じで施工します。写真は下塗りの上に仕上げ材を塗っている状況です。 ある程度塗った状態で仕上げを施します。今回はスチロールのコテで表面をグルグルと押える「スチロゴテ仕上げ」です。
仕上がるとこんな感じになります。
この写真は、羽島市で建てさせて頂いたそとん壁仕上げのお宅です。この壁は写真のように木とも相性の良い材料です。
他にはこんな感じの仕上げもあります。
これは、各務原出建てさせて頂いたそとん壁のお宅です。櫛引で仕上げています。
色も何種類もあるのですが、わたしはまだ4種類しか使ったことがありません。例えば
岐阜市で建てさせて頂いたそとん壁のお宅は白色です。
白のそとんも結構いい感じの色です。普通白を使うと、サッシの回りが汚れたりと気になるのですが、軒を出せばあまり汚れません。このお宅はそとん壁を塗ってから約6年のお宅です。
この春に岐阜市長良で建てさせていただくお宅も、白のそとん壁を使います。
と、なんだかそとん壁の回し者のように宣伝のような内容を書きましたがここからが本題です。
外壁ってどんな基準でえらぶの?
色々な外壁があるなか、どんな基準で選んでよいか解りませんよね。
外壁の選び方は・・・
好みと予算のバランスでいいです。
確かにメンテナンスサイクルが長いものが将来的にはお金が掛からずお勧めです。ただその観点から決めてしまうと選択肢をグッと縮めることになってしまいます。
雨にかかると汚れやすいとか、水漏れがしやすい外壁ならば、それを加味して設計するのが設計事務所や工務店の仕事です。設計者とよく話し合い、好みと耐久性、メンテナンスそして予算 それぞれバランスが取れたものを探して決めていくのが理想ですね。
けど、ひとつだけお願いしたいことがあります。
その場所とのバランスも考えてください。
昔、漫画家さんがキャラクターの色を使った家を建てて問題になったことがあります。「俺の家だから何をしてもいいだろう。」まあ、そうなんです。そうなんだけども。。
やっぱり、街全体が素敵なほうがいいじゃないですか。
都市計画法には風致地区(主に自然を守る)と景観地区(主に街並を守る)というのを定めて、風景を守ろうとしています。ただし、城下町とか金華山の周りとかほんの一部の地域です。
私が、そとん壁とか落ち着いたの色の壁とか木の壁とかを使いたくなるのは、壁自体の存在感を無くしたいと思っているからです。木を一本でも植えたいと思うのは、自然の美しさには敵わないと思うからです。
こんな壁の家が理想なのです。