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居心地の良さの設計

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魔法瓶のような家って?

魔法瓶のような家ってどんな家?

 

こんにちは、岐阜で木の家自然素材住宅を造っているタマゴグミのいてです。(このご挨拶は、アクセス対策用です。こうするといいらしいです、私にはわからんけど・・・)

 

さて今日のお話しに行きましょう

「魔法瓶のような家」というキャッチフレーズ聞いたことありませんか?

魔法瓶は、まさに断熱をしている装置なのです。

えっ、何あたりまえなこといってんの? と思いますよね。

あえてこういったのは、物理的に言う断熱構造を持った家は今のところ皆無だからです。

魔法瓶と、家とは全く違う構造だということです。

 

ですので、結論から言うと「魔法瓶のような構造の家」は殆どありません。 「魔法瓶のような保温力の家(そんな凄い家があったら見てみたい)」ということになります。

 

今日は「熱ってなに?」ということをお伝えしながら、保温効果の高い材料はどんなもの? ということをお伝えします。

 

熱って何?

熱を言葉で表すと、

  • 熱はエネルギーの一種です。
  • 熱は、高いところから低いところに流れます。
  • 熱は、伝導・対流・放射によって伝わります。

 

あ~~むつかしい、つまらん、エイッ と右上のバツを押してこのページを消さないでください。今からきっと面白くなりますから。

 

太陽って、あったかいですね。

けど不思議じゃありませんか?空気もなんもない宇宙を通って何で熱がくるの? ほんと不思議。

 

熱エネルギーと放射

太陽から発生した電磁波、主には赤外線ですが、それが宇宙空間をフニャフニャフニャと飛んでくるのですね。そして大地や私たちに当たることで、大地や私たちの分子を「ウリャ~」とゆするわけです。それがエネルギーなんですね。

その摩擦熱が、熱となるのです。

 

ストーブに触らなくても暖かいのもそうです。

あれも、ストーブから発生した電磁波(というとイメージ悪いですね)赤外線が私たちの手のひらに当たり、手のひらの分子を揺すって熱を発生するのです。

そして、この熱の伝わり方を放射といいます。

 

対 流

次に対流です。

対流は空気や水といった物質を介して熱が伝わる方法です。多分、引力がある地球上だから起こる現象でしょう。

 

熱をもつと、分子の運動が激しくなります。ということは、隙間が開き軽くなりうえへ上がります。そして天井やお風呂の上の空気に熱を奪われると、分子の運動が鈍くなり、重量が増して下におりてきます。

これが対流です。

 

小学生でたとえると朝礼のときの運動場と休み時間のときの運動場といった感じでしょうか。(ちょっと違うかも)

伝 導

最後に、伝導です。

小学校のときに、道端におっこっていた鉄の棒とかを焚き火に突っ込んで、それを手でつかんで「あちち」とヤケドをした事がありませんか?(って、あまりいないですよね) これが熱伝導です。

熱エネルギーの高いものに直接接触することで、熱エネルギーが移動することを言います。

 

やっぱり難しいですか? このページ閉じちゃいます?

ちょっと待ってください。魔法瓶の秘密を教えちゃいますよ。これを知れば、あすお子様の前や同僚の前で「魔法瓶の秘密知ってるか?」と自慢できますよ。

 

魔法瓶の秘密

それでは下の図を見てください。

 

 

これが、魔法瓶の構造です。

 

まず、真空層をつくって対流が起こるのを防ぎます。空気や液体が無ければ対流は一切起こりません。これで、対流から伝導という熱の伝わるルートを断ち切ったのです。

 

残るは放射。 放射は電磁波(赤外線等)でしたね。ですから鏡でその波を跳ね返しちゃおう。ということで、熱があるほうに向けて鏡面をつくり、熱線を反射させるのです。

 

こうして熱エネルギーを封じ込める装置が魔法瓶なのです。

 

ここで私も疑問が残るのですが、じゃあ魔法瓶につめたいものを入れておくと冷たいままをどう説明するの?

 

これは私の予想です。

冷たいものはエネルギーが少ないのでそもそも熱線も少ないと予想できます。だから、反射する層は要らない。

真空層があれば対流は起こらないので十分保冷できる。

ただ、外からの熱が強いと熱線が真空層を貫いて入ってくるので、出来れば熱線反射する素材で外側が出来ていたら、さらに保冷効果は高い。

と思うのですが、あってますか?

 

さて、最後ですよ。

やっと家の断熱材についてです。今の家はどんな方法で保温効果を得ているのでしょうか?

この方法は外張り断熱だろうか、充填断熱だろうが、グラウール、羊毛、セルロース、吹きつけ、発泡板 全てが同じ原理です。

 

家の断熱材の仕組み

下の図を見てください。

これが家の断熱材の原理です。

 

 

建築の断熱材は、熱を遮断しているんじゃなくて熱の伝わりをいかに遅らせるかなんです。

 

空気の部屋を小さく区切って対流を出来る限り小さくすることで、一つ一つの部屋の温度差を極力小さくして、熱の伝わりを遅くしているのです。

と考えると、より小さな空気の部屋がより沢山造れる断熱材が一番効果があるということが解りますね。

 

実はタマゴグミが使っている羊毛断熱材、計算上ではグラスウールやロックウールと同じ保温性能とされています。けど、なぜか羊毛断熱材のほうが良いような気がするのです。

多分、羊毛には生意気にもキューティクルがあって、あれがゴツゴツしていたり、工業製品と違いチヂレが不規則にあったりして、空気がより対流しにくくなっているかもしれません。

 

そうは言っても、発泡系のいいやつ、ウレタン断熱材が一番じゃないの。と鋭い方は感じますよね。

 

そうなんですね。けど、断熱材ってそれだけじゃないような気がしてきています。(おっ、根性論か? それとも感情論か?)

 

 

断熱材と水蒸気の関係

なんか、水分(水蒸気)が熱に関係しているような気がするのです。

水蒸気は空気より重いので、熱を溜め込む性質があります。また、熱をゆっくり放出する性質もあります。

 

エアコンの空気より、石油ファンヒーターの空気のほうが汚れているのですが、けど、なんとなくやさしい暖かさを感じませんか?

それは、石油ファンヒーターは燃えながら大量の水蒸気を出しているからです。

 

冬の部屋内は水蒸気がある程度あったほうが、熱量が安定していて快適なのですね。

羊毛断熱材や木質系断熱材、セルロースファイバー等自然素材の断熱材は水分を保持しています。その水分が人に熱を伝えるときや、部屋の温度の変化を柔らかくしているのかもしれません。

(やっぱ最後は感情論か・・・)

 

追伸です

 

完全な断熱の家はほぼ無いと書きました。

実は、完全な断熱材の家は造られようとしています。それは真空断熱材を利用した家です。鏡面のアルミ箔に挟まれた厚さ1センチくらいの真空のシートです。

これが完成すれば本物の「魔法瓶のような家」です。

ただ、リスクはムチャ有りです。

1、穴が開いたらただのシート。断熱効果はセロに等しくなります。

2、経年劣化でシートの中に空気が入ったらただのシート。昭和初期の家と断熱性能が同じになります。

3、施工精度が悪いと、結露だらけの家になります。断熱性能があまりにもありすぎるので、断熱が弱いところに結露がたまってしまうのです。

けど、近いうちにきっと旭化成とか積水化学とかの賢い誰かが何とか解決してくれるでしょう。私はそのときをじっと待つだけです。