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住宅ローンで気をつけること 連帯保証人って?

こんにちは。岐阜の自然素材住宅屋の井手です。今日は、ちょっと重く暗い話をしましょう。けど、ムチャクチャ重要な話です。

あなたは社会人になるとき「いいか、絶対に保証人にはなるなよ。」って言われたことありませんか? そうなんです、保証人になるって怖いことなんですね。けど、数千万円の住宅ローンになるとなぜか「保証人(通常は連帯保証人)になるのは当たり前か・・」という感じで簡単に判を押してしまうのが現実です。

今回の内容は保証人にはなるなということをお伝えするわけではありません。どうしても必要なときはあります。保証人(連帯保証人)ということを知ってもらいご自分で判断する、また、保証人をお願いする人にそのリスク(今回メリットはありません)をきちっと説明できる力をつけてもらうきっかけを目的としています。

保証人 連帯保証人とは?

保証人、連帯保証人と聞くと「ああ、保証人ね。」とひとくくりに考えられますが、全く違う立場だということを覚えてください。簡単に言うと連帯保証人は、「借りた人と同じ立場。」となります。その点を少し説明しましょう。また、今回は住宅ローンに限らず一般的に言われている保証人と連帯保証人の差について説明します。少し難しい言葉も書きますが、それは私の知恵をひけらかすためですので気にしないでください。

連帯保証人はいつでも返済を迫られる。

これは、保証人も同じなのですが、お金を貸した人がいつでも「Aさん(借りた人)の代わりに、あんた返してよ。」といわれても仕方がないのです。ええっ!と思われるのですが、それが法律です。さて、そんなときに保証人と連帯保証人との差が出ます。

もし、あなたがそんな無茶な請求を受けた場合こんなことが言いたいですよね。

「何で私返せって言うの? 借りたのはAさんじゃん。まずはAさんに言ってよ!」 これを、催告の抗弁権といいます。これは保証人はいえますが、連帯保証人には言う権利が一切ありません。

じゃあ、Aさんがいい車や不動産を盛っていたり、奥さんや知り合いがお金を持っていることを知っていた場合ならどうでしょう。「おいおい、Aさんいい車乗ってるじゃん。あれを売らせて返すお金作らせてよ。それに奥さんが返すお金きっと持っているって。私に言う前にAさんのお金を探してから言ってよ。」 これを、検索の抗弁権といいます。これも保証人には認められますが、連帯保証人には一切言う権利がありません。

ついでに、こんなことも。

3000万円の保証人を3人でなっていたとします。普通に考えれば一人の負担は1000万円ですよね。貸主から請求されたときは「私1000万円負担するから、あとは他の2人から請求してよ。」と言えます。これを分別の利益と言います。しかし、連帯保証人にはそれが認められません。他の2人が単なる保証人であなただけが連帯保証人とします。貸主から「あなた連帯保証人だから3000万円払って。」と言われたら拒否できません。3分の1の1000万円払っても抜けさせてもらえないのです。

これが連帯保証人と保証人の大きな違いです。

保証人なんて、いざというときは、土地と建物取られて終わりでしょ

保証人と連帯保証人について一般的なことをお話しましたが、ここからは住宅ローンに戻してお話しましょう。

「保証人になったって、いざとなれば土地と建物をとられて終わりでしょ。」とお思いの方は少なくないと思います。しかし連帯保証人の責任は借入金の残金全額に及びますので、借入金残金から土地と建物の売却金を引いて残った金額に対しても責任を持ちます。

それでは、言葉通り「土地と建物をとられて終わりでしょ。」の条件を満たすためにはどのようにすればいいのでしょう。それが、担保提供者という立場です。この立場ですと文字通り何かあった場合には担保に提供しているもの、例えば土地とかを差し出して終わりということになります。

長々と書きましたが、通常は住宅ローンには関係のない話なのです。

ここまで読ませてそれかよ。 と思われますよね。そうなんです、上記のことが関係するのはタマゴグミのお客様でも5組に1組程度なのです。

通常、住宅ローンは保証会社という機関がローン保証をしてくれます。住宅ローンで「審査」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? その人にローンを貸せるかどうかを審査することです。その審査を行い保険料金(通常ローン金額の2%程度)をお客様から徴収して万が一のときに銀行に立替払いをするのが保証会社の役割です。

と考えると、銀行は結構守られていて お客さんが払えないときは保証会社から。お客さんが亡くなっちゃったときには団体信用生命保険から、家が燃えちゃったときには火災保険の先取特権で回収出来るのです。凄いですよね。

話を戻しますが、住宅ローンを一人で借りるとき、土地建物が借り主名義のときは、保証人や担保提供者のことは全く関係のない話なのです。それでは、5組に1組程度の関係する人ってどんな人なのでしょうか?

こんなときは要注意

家を建てる土地が、お父様お母様等借り主と違う名義のとき、ご夫婦で一緒にローンを借りるとき、奥様(ご主人)等借り主以外の方が土地や建物を買うときにお金を入れて持分をつけるとき、

これらの条件の時には通常、連帯保証人 もしくは担保提供者になります。なおかつ、銀行で借りる殆どの場合は連帯保証人になります。私が今まで銀行に交渉して担保提供者で認めてもらったケースは1ケースのみです。ちなみにフラット35の場合は担保提供者という立場になるのが通常です。

こんな事例を見たことがあります。

東京でマンションをお持ちの方からローンの借り換えを相談されたときに登記簿を見せてもらいました。びっくりしました、ローンはご主人だけなのに、おく間の持分が5% 金額にしたら多分20万円弱、持分登記されているのです。持分が1%でもあったら連体保証人になってしまうのです。どういう事情で持分が入ったかは解りませんが、もし本人の強い意志でなく金融機関もしくはデベロッパーから「ローン条件が良くなりますから」という誘いが理由だとしたら、ぞっとしますよね。

結論は

  1. 夫婦一緒の合算でのローンは絶対に薦めないし、お考えの場合はしなくても良い方法を一緒に探ります。 
  2. 土地がご両親等他人名義のときはフラット35でのローンをお勧めします。
  3. 持分がある場合はそれを取り除けないか、もしくはフラット35でのローンをお勧めします。

想像してみてください。お父様の土地名義の家に建てて、もし払えなくなりご自分が破産した場合その土地のみでなく、お父様の貯蓄、土地、今お住まいの家、借金がなくなるまで全て吸い尽くされるのです。また、連帯保証人は相続されます。(限定相続という奥の手はありますが・・)相続時にもめる可能性大なのです。

しかし、どうしても連体保証人をお願いしなくてはいけない場合があります。その場合は上記のことを理解してもらい、お願いすることが最低限のことだと思います。

あ~あ お金を借りるって大変なことなんですね。