居心地の良さには、7つのコツがある
タマゴグミとして居心地の良い家を作る条件7つを作ってみました。
これは今現在のものであり、今後もさらに進化させていきます。
デザイン
周りの環境になじむ家
家の外観デザインはその家に住む人のためだけではありません。周囲の方々、偶然前を通る方々、すべての人にとっての居心地の良いデザインでなくてはいけません。
外観デザインの例
周りの環境作りは、土地選びだけでは終わりません。外観デザインは重要です。
- 屋根の流れ方向を街並みにあわせる
- 高さを隣の建物より低くする
- 経年変化が味になる素材の外観
- 北に既に住んでいる家があったら極力日あたりを確保する
- 通りには季節を感じる木を一本でもいいから植える
街並みに溶け込むデザインこそ周りの環境をよくするデザインと考えています。
周りを無視したデザインの家なんていくら格好良くても町にとって異物でしかありません。
タマゴグミは建築の力で良い人間関係が造れないか模索しています。
そして、周りの人に「いい家ができたね」「あら、木が素敵ね」と思って頂き、周りの方がつられて一本木を植えるようになれば、周りの環境が良くなり、地価が高くなり、良い人が集まる街と育つとタマゴグミは思っています。
居心地が良い家のデザインは主張しない
デザインは出来る限り主張しないことが時間を超えて居心地を保てると思っています。
タマゴグミは、カフェのような家とか、プロバンス風という家はつくりません。
また、模様が強い壁紙や派手な色は使いません。
人間は日々成長し続ける生き物です。成長すると好みも変わります。
私たち家を作る人間が、今現在のあなたの好みを切り取りそれを提案するのはおこがましい行為でやってはいけないことと思っています。
私たちの仕事は、主張しないいかようにも染まる美しい箱(家)を作り上げること。
仕上はあなたが今好きな絵を飾ったり、モノを飾ったりしてと今の好みを思う存分出してもらうこと。そして好みが変わったら、サッと取り替えて新しい仕上をしてもらうこと。
時間を超えて愛される空間を作るために、タマゴグミは仕上げに使う塗装の色や珪藻土は、10年かけて吟味した同じ色を採用しています。
居場所
自分の居場所がある家
居心地の良い家には、たくさん居場所があります。
それは部屋だけではなく、階段や庭など、はたまた押し入れの中など、家の中にじっとたたずんでいられる場所が要所要所にきちっと存在していることです。
春・夏・秋・冬、日本の四季にあわせて、居場所をつくったり、昼と夜の居場所をつったり、小さくても居場所がたくさんあると居心地がよくなります。
隠れる場所がある家
”たまには隠れたい” それも居心地の良さの一つです。
書斎が欲しい。男性の9割以上の望みです。男は隠れたがるのですね。
一説に男性は、隠れた小さなところに閉じこもって獲物を狙う狩りの習性が抜けていないようです。
「旦那がトイレに閉じこもって出てこない」これもよくある相談事です。トイレから狩りをされても…ですが。
コンパクトな家でも、階段の下・押し入れ・天井裏・部屋の隅っこ・いろいろ工夫しながら隠れ場所を作っています。
今人気なのは2帖程度の畳コーナーです。
大人のためにつくる
居心地の良い家は、大人の居場所がある家
タマゴグミは居心地の良い家のために、大人の居場所を重視します。
住宅は大人のために造るものです。子育てのために造るのは巣でしかありません。
大人のためにつくった部屋を、一時期貸し出すのが子供部屋だとタマゴグミは考えています。
タマゴグミが子供をないがしろにしているわけではありません。むしろ、良い子に育ってほしいと考えるから大人の居場所が重要なのです。
子供は親の背中を見て育つと私は信じています。
子供に大人の良い背中を見せるためには、まず大人が毎日の生活を充実させいつも楽しくいるべきだと思います。
子供に立派な部屋を与えるために、自分の場所を削り、自由になるお金を削り、毎日疲れた顔をしていては子供に悪影響を与えるだけです。
楽しんでいる大人の背中を見て育つ子供たちはきっといい子に育つはずです。
数々作ってきた大人の居場所
ある方はお酒をゆっくりと飲みたいと仰ったので、濡れ縁をきちっと作り込みました。
ある奥様は、お菓子作りが好きだと伺ったので、その場所を作ることから始めました。
今もポルシェが好きなお父さんのためのガレージハウスを計画中です。
大人の居場所って言われても何も思いつかないよ…。
安心してください。殆どの方がそうです。
家づくりの時、私たち建築士と一緒に大人の居場所について真剣に考えてほしいのです。
居間の片隅にいつも座っていたくなるようないい椅子を置く。
週末にゆっくり食事をしたくなる銘木のテーブルを置く。
それも大人の居場所づくりです。
あなたが居心地の良さを追求する、私たちはそんなあなたのお手伝いをしたいのです。
素材
素材を吟味する家
素材選びは居心地の良さに大きな影響を与えます。
タマゴグミは自然素材住宅として始まりました。しかし私としては自然素材にこだわっていたわけではありません。
人間の五感による知覚の割合は、以下のようにいわれています。
視覚87%、聴覚7%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1%
(視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1%という説もあります)
居心地の良い素材は、視覚に刺激を与えない素材と考えました。
視覚で気になるのは調和しないもの(汚れ、はがれ、すきま、割れ)や刺激的な色です。
自然素材を選んだ理由
自然素材がおりなす変化には人は寛容である
階段手すりにちょっと手あかがついてきたね。「ああ、味ですね」
床の色がどんどん濃くなってきたね。「ああ、いい感じなってきました、傷ついているけど無垢ですから」
柱が割れましたね。「ええ、夜中に凄い音がしましたよ、ははは」
自然素材の変化は、人の視覚に不快を与えない、気にならない素材なのです。
それが、工業製品のクロスとかピカピカしたフローリングとかだったら、
-
「あのはがれ気になるわ~」
-
「せっかく真っ白だったのに、スイッチの周りがくろくなって~」
-
「フローリングが白く濁ってきてしまって」
となってしまいます。工業製品は、出来た時の状態を保たないと成り立たない素材で人の視覚に影響を与えます。
また3.5%ですが、嗅覚にも自然素材は良いようです。
色には人間心理に働きかける力があります。色をうまく使えば良い環境はつくれます。ただ、家は人をコントロールする場所ではありません。ですからできる限り刺激の強い色は使わないようにしています。
あいまいな境界
居心地の良い家は外部と内部のさかいがあいまいな家
家に屋根や壁があるのはどうしてでしょうか?それは、雨や風をしのぐため、暑さ寒さを防ぐため、防犯のため、プライバシー確保のため、中には虫の侵入を防ぐためなんていうこともありますよね。
もし、それらがなければあなたは外の広々とした空間と、壁に囲まれた空間、どちらを選びますか?
それは、外という訳ではないですよね。
人は、天井がぬけた青空の空間も好きですが、チョット守られたまるで洞窟から外をのぞくような空間も好きなのです。
そして、だだっ広い抜けた空間も好きですが、京都の龍安寺のようなお庭のようなチョット仕切られた空間も居心地が良いのです。
タマゴグミは居心地の良い空間を住宅に取り込もうと研究しています
窓を感じさせないフルオープンのサッシを使うのも、庭のレベルを床のレベルまで上げる方法も、外部に面してちょっとした木の目かくし壁を作るのもその一環です。
そして、設計時にお庭を一緒に提案するのも居心地の良い空間を作るためです。この居心地の良い空間は年中使えるわけではありません。気候の良いときだけかもしれません。
ただ、その時期が待ち遠しくなる家に住むっていいじゃないですか。タマゴグミで建てたお客様の中で冬になると濡れ縁にコタツを出して冬の寒さとコタツやなべの温かさを楽しんでいる方がいますが…
狭小地では無理?そんなことありません。たった6m幅の敷地でも開放的な暮らしはできるのです。
カーテンがいらない あけはなてる窓
居心地の良い家は窓が開けられる家
窓から見える一日の変わりゆく風景、そして春の爽やかな風。しとしとと響く雨の音、全て窓がもたらすものです。
日本の家は何と窓が開けられない家が多いことでしょう。
南にせっかく大きな窓がついているのに、いつもカーテンが閉めっぱなし、ひどいところはシャッターが閉まっています。
窓をつけることと、窓を生かすことは全く違うことです。
窓の役割はなんでしょう?
光を取り込む場所。風を通すため(換気)。
最近なら熱を取り込む場所にも使われますよね。タマゴグミもパッシブソーラーソフトを活用して上記の内容を確かめながら窓の設計をします。これらに特化した家も出てきましたね。外に向かって一切窓がなく、天窓だけつけた家です。もし、あなたがそれで満足するのであれば私たちには出番がありません。
私たちは、窓は居心地にとって重要なアイテムと感じています
上記のことはもちろんとして、四季や時間で移りゆく風景を切り取る額縁のような役割、部屋内と外をつなぐ中間的な役割、帰ってきた家族を迎え入れる夕方窓からこぼれる光、そのようなことを重視して設計しています。
だから、窓は土地によって、そして家族によって位置や大きさ、機能が違うのは当たり前なのです。そして、窓が生かされる条件は、雨の日でも開けられることとカーテンを閉めなくてもいいことです。
視線が通る家は居心地が良い家
タマゴグミの家はのべ坪30坪以下の家が大半です。
中には20坪を切る家もあります。コンパクトな家でも居心地をよくするには広く感じるようにすることです。
家を設計するときには、部屋を超えて視界が通るようにします。そのために、建具はいつも開けておける引き戸を多用したり、視界の先には出来る限り窓を配置します。南北に余裕がある場合は北にも庭を作り南の庭から北の庭まで視線が通る様にします。そうすることにより広がりを感じ、狭いということが気にならなくなります。
安心
耐震性能・温熱環境
居心地の良い家の絶対条件は、安心して住み続けられることです。
その絶対条件が地震に強い家・温熱環境が良い家とタマゴグミは考えます。
【耐震性能】
耐震性能に関しては、全棟 自社での許容応力度計算による耐震等級3を基準としています。
【温熱性能】
温熱環境については、これも自社でのパッシブソーラー計算を行い居室が冬期18℃以上 夏期は30℃以下になるように設定。その場合のエネルギー量と光熱費を算出しています。
一版には外皮性能に注目が浴びていますが、まあそれはそれ。タマゴグミはHEAT20のG2レベル程度とご理解ください。
それよりも、何月何日の何時にこの部屋が快適かどうかが知りたいですよね。
保証・駆けつけ・アフターメンテナンス
まずはやっていることを書きます。
【外部業者に委託】
- 住宅瑕疵担保責任保険 10年(JIO)
- 地盤補償 20年(ハウスワランティ)
- 地盤液状化保証10年
- 24時間365日住宅トラブル駆け付けサービス(2018年より)
【社内】
- 床下に潜る点検(予約制・1年半に1回程度)
- 電話駆け付けサービス
- 年に一度の全棟訪問
- 2週に一度のメールでの情報発信(すみません、たまにサボります)
こんなことを実施しています。
【保証についての補足です】
住宅瑕疵担保責任保険での補償内容は床が1000分の5傾いた時や、雨がザーザー漏りたときなど最悪だと思う時しか出ません。
地盤補償も、地震時に起きた現象には出ません。
また、タマゴグミでは10年を延長して60年保証も可能ですが、お勧めしていません。
10年保証と60年保証は全く違うものと私は理解しているからです。
10年保証は工務店の責任ですので、無償で行います。ただ、それ以上の保証は任意です。
その任意の保険の条件は「定期的なメンテナンスと家の状態が良い」が条件となります、それを無視すると保証が受けられません。
となると、まだこれ大丈夫なのにな、というものも交換が条件、なんていうことになりかねずお客様に負担が増えるだけじゃないかと感じているからです。
それに、60年保証のための金額は安くなく、その金額を住宅費用に上乗せしなければいけないことが嫌だからです。
要は、タマゴグミが行う1年訪問や定期点検で問題点を発見して解決していけば必要ないかなと私は感じています。
タマゴグミの理想は保証が要らない住宅を造ることです。
「保証?そんなもんいりませんよ。ちゃんと造っていますから。けど、火災保険と地震保険は入ってくださいね!」
と言える家づくり。それが理想です。
【駆け付けサービスについて】
24時間365日駆け付けサービスはあるお客様からの一言で始めました。
「タマゴグミさん色々やってくれるけど、人数が少ないからいざというとき大丈夫?」
ああそうだ、これはダメだ。
と思い駆け付けサービスを2018年から外部委託することにしました。
とはいっても、まずはタマゴグミにご連絡頂き、捕まらないときに活用いただいています。
おかげさまで、このサービスを使った階数は今だ数回です。
費用については、新築時にお客様に3万5千円 タマゴグミが4万円ちょっと負担する形で入っています。
【社内のサービスについて】
内容としては工務店として当たり前の内容です。
ただ問題は、床下点検の予約のばらつきです。もうちょっと全棟平均的に回れるシステムを考えなくてはと思っています。
年に一度の訪問は私の趣味です。
自然素材の家の変化は本当にいいものです。どんなふうに育ったかなと見に行くのが楽しくてやっています。それと、お客様のとの会話やお子様の成長を見るのが楽しみです。
最近嬉しいことは、家のこと以外の相談を受けていることです。
親さんの家の処理方法などはもちろんのこと、転職の相談を受けたり、子育ての事、お子様の進学の相談、旅行や遊びのことなど様々なこでご相談を受けます。
やっとタマゴグミもお客様の人生の一員として見てもらえるようになったんだと嬉しく思っています。